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ゲームソフト

 

[業界研究] ゲームソフト

概要

ゲームソフト業界では、業務用ゲーム機器のソフト(多くの会社ではハードも製作)、家庭用ゲーム機器のソフト(ハードも製作・販売するのは任天堂SCEマイクロソフトなど数社のみ)の開発・販売を行っている。
また、近年はスマートフォンタブレット端末など、ゲーム専用機ではない機器向けに開発されるゲームソフトが増えている。
ゲームソフト業界
業務用ゲームとパッケージ中心の家庭用ゲーム市場は減少するもオンラインプラットフォームは拡大傾向
ゲームソフト業界がソフトの開発・販売にかかわるのは、大きく分けて、業務用ゲーム(アーケードゲーム)、家庭用ゲーム(ビデオゲーム)、SNSゲーム(業界関連用語参照)などのいわゆるスマートフォンゲームがある。

業務用ゲーム市場については、ゲームセンターの店舗数が減少していることや、スマートフォンなどの普及で余暇の楽しみ方が変わってきたこともあり、縮小傾向にある。
2016年6月発刊の「ファミ通ゲーム白書2016」によれば、2015年の世界のゲームコンテンツ(ゲームソフト)市場は前年比25%増の8兆2,667億円と推定。

内訳は、家庭用およびPC用パッケージゲーム市場は1兆3,080億円、デジタル配信ゲーム(モバイルゲーム、PC配信ゲーム、家庭用ゲームデジタル配信)市場が6兆9,587億円となっている。
ゲーム内課金や、家庭用・PCゲームはパッケージソフトからダウンロード購入への移行が進んでおり、2015年では約8割(84%)をデジタル配信ゲームが占めている。

2015年の国内家庭用ゲーム市場は、ハードとソフト(オンラインを含む)を合わせて3,602億円、一方でオンラインプラットフォーム(ゲームアプリ、フィーチャーフォン、PC)市場は9,989億円となり、国内ゲーム市場は過去最高の1兆3,591億円となった。
なかでも国内ゲームアプリ市場は年々拡大傾向にあり、前年比30%増の9,283億円にまで拡大している。

また、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会CESA)が2017年3月に発刊した「2017 CESA一般生活者調査報告書~日本ゲームユーザー&非ユーザー調査~」によれば、2016年の一般生活者の家庭用ゲーム機所有者は5,326万人で、アクティブユーザーは2,944万人、継続プレイヤーは1,640万人と推計している。

一方で、ゲーム全体(家庭用ゲーム、PC用ゲーム、スマートフォンタブレット用ゲーム、フィーチャーフォン用ゲーム、アーケードゲーム)のいずれかを継続してプレイしている人口は4,614万人で、ハードウェア別では「スマートフォンタブレット用ゲーム」が3,366万人でトップと、ゲーム市場全体ではスマートフォンゲームの影響が大きいのがわかる。

なお、家庭用ゲーム機の保有率1位は「ニンテンドー3DS」、2位は「ニンテンドーDS」。 プレイ率1位は「ニンテンドー3DS」、2位は「Wii」となっている。
期待が大きいVRゲーム市場の普及と拡大
また、新たなゲームとして期待されているのがVRゲーム。VRとはVirtual Realityの略で、日本語では「仮想現実」と言われている。
VRゲームでは、ユーザーがゲーム内でコンピューターによって作られた世界を、まるで現実世界のように体験できる。

これまでは、専用のヘッドマウントディスプレイやPCなどの機器が必要で、こうした機器は非常に高価なものであった。
しかし、“ハコスコ”や“ボッツニュー”などのスマホがあればVR体験ができる安価なVRツールが登場、高かった敷居が一気に下がりVRゲームが身近なものになってきた。

PlayStation4」に接続することで、かつてないバーチャルリアリティー体験を可能にした「PlayStationVR」は、2016年10月の発売以降入手困難な状況が続いている。
なお、「ファミ通ゲーム白書2016」によれば、VRはさまざまな分野で関心が持たれており、その市場規模は2017年には3,000億円を超えると予測している。
任天堂の参入もあって堅調な推移を見せるスマートフォンゲーム市場。将来的には大手を中心にした寡占状態に
矢野経済研究所は2016年12月~2017年2月に国内のスマートフォンゲーム市場の調査を実施。その概要を2017年4月にリシースしている。そのリリースによれば、2015年度の国内スマートフォンゲーム市場は、前年度比3.4%増の9,250億円と堅調に推移している。

2011年度には480億円程度だった市場規模はわずか4年で急拡大した。
2012年リリースの「パズル&ドラゴンズ」、2013年リリースの「モンスターストライク」といったビッグタイトルの売上が伸び悩むなかで、爆発的ではないものの複数のヒットタイトルが市場に投入されたこともあり、安定成長となった。

また、家庭用ゲームメーカー各社もスマホゲーム開発へシフト、自社の有力キャラクターやコンテンツを積極的に展開している。
また最大手の任天堂も、2016年に「Miitomo」、「ポケモンGO」、「スーパーマリオラン」でスマホゲームに参入。引き続きスマートフォン向けへゲームを配信することを表明しており、「どうぶつの森」、「ファイアーエムブレム」、「ゼルダの伝説」といったビッグタイトルの登場が期待されている。

一方で、スマートフォンゲームにも家庭用ゲーム機ソフトと同等の高い開発能力が求められるようになってきている。
加えて、ゲーム開発ラインの拡張や、開発期間の長期化によるコストアップに耐える資金力も必須となってきている。
スマートフォンゲームを取り巻く環境は常に速いスピードで変化している。
ヒットタイトルが年々出現しにくくある現状でも、家庭用ゲーム機と同等レベルの開発技術はスタッフの確保が求められており、それほど遠くない将来、資金力があり開発能力の高いゲームメーカーや、有力コンテンツを多数有するゲームメーカーによる市場の寡占化が進んでいくと見られている。


豆知識

配信1カ月で5つのギネス記録を打ち立てた「Pokémon GO」
「Pokémon GO」は、アメリカのナイアンティック社と、株式会社ポケモンによって共同開発されたスマートフォン向けゲーム。GPSの地図情報を活用しながら、カメラで映される現実世界に現れるポケモンを探しながらゲームを進められる、まさにリアルポケモンといえるゲーム。
子供を中心とする現在のポケモンファンから、かつてポケモンで遊んだことのある大人まで、幅広い人たちに受け入れられ世界中で大ヒットとなった。

もともとのポケモン人気に加えて、一部アイテムは有料だが基本的に無料で遊べることもあって、配信と同時に世界中で一大ブームとなり、アイテムの補給・利用ができるポケストップや珍しいポケモンが現れる公園・スポットには連日多くのプレイヤーが押し寄せるだけでなく、歩きスマホによる事故や、私有地など入場が禁止されている場所に侵入するプレイヤーも出てきて、社会問題となった。

配信開始後のダウンロード数はすさまじくこれまでの記録を更新。英ギネス・ワールド・レコーズは、2016年8月に以下の5つの項目について世界一の記録を達成したと発表している。

・配信から最初の1カ月で最も稼いだモバイルゲーム(2億650万ドル)。
・配信から最初の1カ月で最もダウンロード数が多いモバイルゲーム(1億3,000万ダウンロード)
・配信から最初の1カ月で最も多く世界中のダウンロードランキングで1位に輝いたモバイルゲーム(70カ国)
・配信から最初の1カ月で最も多く世界中の売上ランキングで1位に輝いたモバイルゲーム(55カ国)
・全てのモバイルゲームのなかで最も早く1億ドルを稼いだゲーム(20日


業界関連用語

ゲームクリエイター
「プロデューサー」、「ディレクター」、「プログラマー」、「グラフィックデザイナー」、「シナリオライター」、「サウンドクリエイター」など、ゲームの企画・制作に関わる様々な人を総称して「ゲームクリエイター」という。

かつては、1人で企画立案からプログラミングやグラフィックデザインなど複数の作業を行うケースもあったが、近年はゲームの規模が大きくなり、こうした作業が分業化・専門化している。

そのため、「ディレクター」、や「プロデューサー」が企画の立ち上げから完成までに立会い、分業で行われている業務を統括。アドバイスを行ったり、最終判断を行ったりと、進行管理を任されている。

なお、一般的に「ディレクター」という場合は、現場を統括し進行管理を行う総責任者という意味が強く、「プロデューサー」という場合は、「ディレクター」の上司として大所高所からアドバイスを行ったり、制作全般の運営・管理をする人のことをいう。


●ネイティブアプリ
スマートフォンなどの端末機にある演算装置が直接データ処理を行うタイプのアプリのことで、App StoreGoogle Playなどのアプリマーケットを通じてダウンロードする。

ゲームの表現力や操作性が高く、通信環境の制約を受けにくいといわれている。
また、スマートフォン本体に備わっているカメラや電話帳などの機能と連携させることもできる。


ブラウザゲームSNSゲーム
それぞれの会社が運営するゲームポータルのページから遊ぶことができるゲーム。
スマートフォンでは、Webブラウザから提供され遊ぶことができる。

ブラウザゲームの人気は、もともと、「SNSゲーム」といわれるSNS(Social Networking Service)上で提供されたオンラインゲームがフィーチャーフォンで急拡大したことに始まっており、今では、多くのユーザーがスマートフォンへ移行している。

ブラウザゲームのみのユーザーは、月額平均課金額がネイティブアプリのみのユーザーよりも高い傾向にあり、お気に入りのゲームを継続的に遊ぶといった傾向がある。


MMORPG
Massively Multiplayer Online Role-Playing Gameの略で、大規模多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲームと訳される。
MMORPGでは、同時に数千人といった多くの人が同じ世界を共有しながらオンラインで遊ぶことができる。

オンラインRPGでは、ゲーム会社が用意した専用サーバーにあるインターネット上の仮想空間にアクセスしてゲームをスタートする。

従来のRPGと大きく違うのは、セーブという概念がないこと。ゲーム世界の中でもリアル世界同様に時間が流れており、ゲーム内でプレイヤーが戦闘不能になっても、一般的なゲームのようなセーブポイントから再開ということにならない。
通常は、「経験値を失う」、「装備の耐久度が下がる」、「アイテムを放棄する」などのいわゆるペナルティーを支払って再開することになる。


どんな仕事があるの?

シナリオライター
ゲームのストーリーや構成などを考える。

●グラフィックデザイナー
ゲームに登場するキャラクターやアイテム、背景などを描く。

サウンドクリエイター
ゲームに欠かせない、ゲーム音楽や効果音などを作成する。主に曲作りを行うコンポーザーと、コンポーザーが作った曲をゲーム上で再生できるようにするプログラマーの仕事がある。

プログラマー
プログラミング言語を使いこなし、実際にキャラクターなどをゲーム画面上で動かすシステムを開発する。