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福祉サービス

 

[業界研究] 福祉サービス

概要

福祉サービス業界では、高齢者などの援助が必要な人に対して、その人らしい生活がおくれるようにさまざまなサービスを提供している。
福祉サービス業界
「施設介護」と「在宅介護」に分かれる

介護サービスの仕事は、大きく分けて「施設介護」と「在宅介護」の2つがある。

「施設介護」では、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設に入居して介護サービスを受ける。

「在宅介護」は、自宅で介護を受けることで、訪問看護訪問介護デイケア(通所リハビリ)、デイサービス(通所介護)など、症状に応じてさまざまな介護サービスを利用できる。

厚生労働省では「在宅介護(医療)」を促進する方針を打ち出しており、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できる社会を目指している。
また、介護・福祉用具の製造や販売、レンタルなどを主な業務として行っている会社もある。
年々増え続ける介護サービス受給者数。今後もコンスタントに市場拡大が予想される介護ビジネス
団塊世代の高齢化を控えて、介護ビジネスは今後も市場の拡大が予想されている。
介護ビジネスに含まれるものとしては、訪問介護ホームヘルプサービス)、通所介護(デイサービス)、短期入所介護(ショートステイ)、福祉用具貸与、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、ケアハウスなどがある。

厚生労働省から発表された「平成27年度介護給付費等実態調査の概況」によると、2015年5月~2016年4月審査分における介護予防サービスおよび介護サービスの年間累計受給者数は前年度比3.8%増の6,193万2,000人(年間実受給者数は605万1,100人)となっており、うち介護予防サービス年間累計受給者数は同3.8%増の1,376万8,800人(同155万9,500人)、介護サービス年間累計受給者数は同3.8%増の4,819万2,200人(同484万人)となった。

ここ数年、年間累計受給者数はおおよそ200万人以上(実受給者数はおおよそ20万人)ずつ増加している。なお、年間累計受給者数とは、各年度の5月~翌年4月の各審査月での介護予防サービスまたは介護サービスの受給者数の合計のこと。年間実受給者数とは同期間において一度でも介護予防サービスまたは介護サービスを受給した人の数で、同一人が2回以上受給した場合は1人として計上している。

こうした状況を受け、老人福祉施設への給食サービスや在宅配食サービス、福祉ロボットなどの市場が特に伸びており、今後も発展が期待されている。


豆知識

「終活」と「エンディングノート
「就活」に「婚活」と、「○○活」という言葉がブームだが、近年静かに広がっているのが「終活」だ。

「終活」は、週刊朝日が造った言葉で、もともとは、葬儀やお墓など、自分の最期に向けての事前準備という意味あいが強かったが、今では、広く人生のラストステージに向けて、自分を見つめ、自分らしいあり方で生きる活動のことを指す。

また、家族など周囲の人たちに迷惑をかけたくないという考えのもと、「終活」を人生最期の身だしなみとする人も多い。
そのため、終末期に希望するケアや治療方法、死後の後始末の方法、相続や遺品の分配に関することなどを記入する「エンディングノート」といわれる書籍の売れ行きも広がっている。


業界関連用語

●福祉ロボット
高齢者や身障者の生活支援、介護する側の負担軽減を目的に開発が進んでいるが、要求される技術レベルが非常に高いため、現在の市場はごくわずかであるが、今後大きな伸びが予想されている。


●サービス付き高齢者住宅
単身・夫婦の高齢者が安心して居住できる住居で、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の基準によって登録される。
一定の面積や設備があること、バリアフリー構造であること、安否確認・生活相談サービスを提供することなどの基準がある。

政府でも、サービス付き高齢者住宅の供給促進に向けて、補助や税制などでさまざまな支援を行っており、教育関連事業者、家電量販店など従来とは異なる業種からの参入も増えている。


●外国人ケア人材
外国人看護師・介護福祉士のことで、経済連携協定EPA)に基づいて来日が始まった。この分野では人材不足が明らかだが、外国人ケア人材を積極的に受け入れようとする経済産業省、慎重派の厚生労働省、と政府内でも態度が分かれている。
また、看護師国家試験・介護福祉士国家試験はいずれも日本語で行われるため、言葉の壁が大きいことが指摘されている。

特に看護師国家試験での外国人(EPA受験者)の合格率は低く、2017年の試験では全体の合格率が88.5%となるなか、外国人(同)の合格率は14.5%となった。
しかし、2017年の介護福祉士国家試験では、全体の合格率が72.1%となるなか、外国人(同)の合格率は49.8%(初受験者に限れば54.2%)と健闘している。


どんな仕事があるの?

介護福祉士
国家資格の1つで、専門知識と技術をもって、身体上または精神上の障害で日常生活を営むうえで支障がある人に対し、入浴、排せつ、食事そのほかの介護を行う。

社会福祉士
国家資格の1つで、身体上、もしくは精神上に問題を抱えていたり、環境上の理由で日常生活を送ることが困難な人やその家族の相談に応じて、適切なサービスの利用を紹介、諸手続きを行い、福祉施設や病院などの調整を行う。

訪問介護員ホームヘルパー
訪問介護員ホームヘルパー)の資格を得るには、各地方自治体が指定した、専門学校、社会福祉協議会、民間団体などの事業者が実施している「介護職員初任者研修」を修了することが必要。なお、2012年度まで実施されていた「訪問介護員養成研修(ホームヘルパー1級、2級)」および「介護職員基礎研修」修了者も「介護職員初任者研修課程」修了と同等にみなされるので、引き続き訪問介護員として働くことができる。