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公社・団体・官公庁への就職

 

 

[業界研究] 公社・団体・官公庁


概要


公社・団体は、地方公共団体や学校、病院など、私たちのさまざまな生活を支える社会の中で、民間ではできない公的な事業を行い、「国」が大いに関係している団体のことを指す。
官公庁とは、国と地方公共団体の役所を指し、中央省庁や裁判所、国会、日本銀行なども含む。

人事院の「国家公務員の数と種類」によれば、2017年度の国家公務員は約58.4万人で、特別職が約29.9万人、一般職が約28.5万人という内訳になっている。
地方公務員は約273.9万人で、すべての公務員を合わせると約332.3万人となる。

なお、国家公務員の特別職と一般職の違いは国家公務員法が適用されるかどうかである。

一般職は国家公務員法が適用されるが特別職では適用されない。

特別職の国家公務員はさまざまだが、国家公務員法に定める成績主義の原則などを適用するのが適当ではない国家公務員(総理大臣や国務大臣、大使など)や、三権分立の観点や職務の性質から国家公務員法を適用することが適当でない国家公務員(裁判官、裁判所職員、国会職員、防衛省の職員など)がいる。


公社・団体業界


法人の分類は公的か私的か、営利か公益かで

大きく分かれる
法人の種類は多岐にわたっているが、大きく「公法人」と「私法人」の2つに分けることができる。

公法人は、行政目的の公的な事業を行うもので、国や地方公共団体、公団や公庫、公社などが挙げられる。

私法人は、私的な事業を行うもので、その中でさらに営利を目的にする「営利法人」、営利を目的としない「非営利法人」に分けられる。

営利法人は、株式会社、合資会社、合名会社、有限会社(現在は廃止され、株式会社に統一)に分けられる。
非営利法人には、慈善事業や学術事業、宗教活動などを行う社団法人、財団法人、学校法人、宗教法人などのほか、公益目的でも営利目的でもない中間的な団体として、労働組合、協同組合、信用金庫、医療法人などが存在する。
経営の見直しから、公的法人の民営化が進む
公社をはじめとする特殊法人はこれまで、国策に沿って事業を行ってきたが、事業運営の非効率や経営責任の不明確さ、経営の自立性の欠如などから国民の批判が高まり、改革が進められた。
その結果、近年になって組織形態を見直し、国の資金調達の保証が得られない、民営化や独立行政法人化などが行われることとなった。
社団法人・財団法人は登記のみで法人格取得可能
2008年12月から、剰余金の分配を目的としない社団法人や財団法人は、事業の公益性の有無に関わらず、これまでのように設立の許可が不要になり、登記のみで法人格を取得できるようになった。
このことによって、私法上の取引主体としての地位が明確に確保され、法人と取引関係にある第三者の保護を図ることができるほか、団体自体の名義で口座の開設・不動産などの財産の登記、登録を受けることができるようになった。


豆知識


姿を変えた三公社五現業とは?
三公社五現業とは、かつてよくいわれた言葉で、非常に規模の大きい3つの公社「公共性の高い事業を行うために国や地方公共団体が設立した法人」と5つの現業(国や地方公共団体が経営する事業)のこと。

三公社とは、日本専売公社日本国有鉄道日本電信電話公社の3社のことで、今ではすべて民営化され、それぞれ、日本たばこ産業JRグループ各社、NTTグループへと姿をかえている。

現業とは、郵便事業国有林野事業、印刷事業(紙幣や国債、切手などの印刷)、造幣事業(記念コインやオリンピックのメダル、硬貨の製造)、アルコール専売事業のことをいう。
国有林野事業は企業としての運営は廃止されたが、郵便事業日本郵政グループに、アルコール専売は日本アルコール産業へと民営化され、印刷事業と造幣事業はそれぞれ特定独立行政法人に移管されている。


業界関連用語

特殊法人

政府が行おうとする事業のうち、その業務が企業的経営になじむにもかかわらず、通常の行政機関に担当させても各種制度上の制約などから能率的な経営を期待できない場合に、特別の法律によって設けられた独立の法人。
総務省の「特殊法人一覧」によれば、2016年4月1日時点で、32法人存在している。
主なものには、「日本放送協会」、「日本電信電話株式会社」、「日本たばこ産業株式会社」、「日本年金機構」、「首都高速道路株式会社」、「株式会社商工組合中央金庫」、「日本中央競馬会」などがある。

認可法人
民間が発起人となって自主的に設立し、業務の公共性などの理由で特別の法律に基づいて大臣の認可を得た法人のこと。
日本銀行日本商工会議所日本赤十字社など。

●民営化
役所やその一部、または役所の外郭団体を、民間企業のかたちに組織替えすること。
政府100%出資の株式会社(特殊会社)の株式を売り出していくこともある意味で民営化となり、政府保有株がなくなったことを「完全民営化」という。

●財団法人
特定の個人や法人から拠出された財産で設立され、法人格を与えられたもの。
従来は公益目的しか認められなかったが、2008年12月以降、事業目的に公益性のない「一般財団法人」という形式の法人も、登記のみで設立できるようになった。


どんな仕事があるの?


●事務
総務、人事、労務管理、福利厚生、教育研究、予算・決算・税務・財務など、行政に関連した業務の企画や立案などを行う。

●営業
協同組合の組合員で生産されたものを消費者に提供する仕事。たとえば、農業者の相互扶助を目的に設立された共同組合「農業協同組合(農協)」による農産物の販売など。


官公庁・警察業界


中央省庁は1府12省庁
中央省庁に属するのは1府12省庁で、以下の通りに分けられる。

内閣府宮内庁公正取引委員会国家公安委員会金融庁消費者庁
総務省公害等調整委員会消防庁
法務省公安調査庁
・外務省
財務省国税庁
文部科学省文化庁
厚生労働省中央労働委員会
農林水産省林野庁水産庁
経済産業省資源エネルギー庁特許庁中小企業庁
国土交通省海上保安庁運輸安全委員会観光庁気象庁
環境省
防衛省
国家公安委員会警察庁)で構成されている。

これら省庁に勤務するのが国家公務員一般職で、大臣、大使、裁判官、自衛官などは特別職と呼ばれる。
女性合格者が大幅アップ。キャリア官僚の4人に1人は女性
国家公務員の採用試験は人事院が毎年実施している(ただし、外務省のように独自で試験を行う行政機関もある)。

以前は、「上級(甲種・乙種)、中級、初級」(1983年度まで)や「I種、II種、Ⅲ種」といった区分で試験が行われていたが、学歴に関係なく行われていたため、本来は高校卒業程度を対象にしていた「初級」や「Ⅲ種」でも大学卒業者が多数を占めるようになり、2012年度から採用試験が変更。
「総合職試験」、「一般職試験」、「専門職試験」、「経験者採用試験」となった。

「総合職試験」は院卒者と大卒程度者のそれぞれで試験を実施、「一般職試験」では大卒程度試験と高卒程度試験を実施するなど試験区分が再編されている。2016年度の国家公務員採用試験(院卒者、大卒程度)の申込者数は91,013人(2015年度は86,452人、2014年度は91,759人)、最終合格者数14,414人(同14,098人、同12,534人)で倍率は6.31倍(同6.13倍、同7.32倍)。

また、国家公務員採用試験(高卒程度)の申込者数は45,066人(2015年度は44,177人、2014年度は44,825人)、最終合格者数は6,808人(同7,008人、同6,092人)で倍率は6.62倍(同6.30倍、同7.36倍)だった。

これまで減少傾向にあった受験者だが、「院卒者、大卒程度」、「高卒程度」のいずれも受験者が前年度よりも増えている。
なかでも、女子学生向けのセミナーなどを積極的に実施したことや、安倍政権が女性の積極登用を掲げていることもあり女性受験者が増加していることがある。

2016年度の国家公務員採用試験(院卒者、大卒程度)の女性受験者は30,942人と前年の28,560人から8.3%もアップ(全体の増加は5.3%)。
同時に、キャリア官僚(幹部候補)となる国家公務員総合職試験(院卒者、大卒程度)の合格者は過去最高の512人と2015年度の395人から約3割アップ。同合格者のうち約4人に1人は女性となった
教員採用試験、2015年度倍率は5.4倍
地方公務員とは地方公共団体や各都道府県警察、学校などに所属する人々で、国家公務員同様一般職と特別職に分かれる。
特別職とは知事や市町村長、議会の議員などで、それ以外の地方公務員はすべて一般職(3割は公立学校の教員、ほか警察、消防など)である。

地方公務員になるには各都道府県で行われる採用試験に合格する必要があり、1類(大学卒業程度)、2類(短期大学卒業程度)、3類(高校卒業程度)がある。

文部科学省の発表によると、2016年度の公立学校教員採用試験の受験者数は、前年度比2.6%減の17万455人と4,521人の減少となった。
一方で、採用者総数は32,472人で、前年度に比較して0.7%増(228人)となった。

また、全体の競争率は5.2倍と前年度の5.4倍よりダウンしている。学校種別で見ると、小学校が3.6倍(前年度比0.3ポイント減)、中学校が7.1倍(同0.1ポイント減)、高等学校が7.0倍(同0.2ポイント減)となっている。
国有企業や特殊法人の民営化
かつて日本国有鉄道国鉄)がJRに、日本専売公社が日本たばこ(JT)に、日本電信電話公社がNTTになったように、国や地方公共団体が経営していた企業および特殊法人などは、一般民間企業に組織替えされた。

最近では、2006年に日本道路公団特殊法人)が東日本高速道路株式会社などに3分割された例、2007年に日本郵政公社日本郵政グループに民営化された例などがある。

民営化の目的は効率化、サービスの向上、透明化などだが、効率化を目指すこととサービス向上が必ずしも比例しないことなどが問題となっている。


豆知識


ラスパイレス指数
国家公務員と地方公務員の給与水準を比較する指数のことをいうのが一般的。国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与を数値で表している。
かつては職員住宅など福利厚生面が充実しているとされる国家公務員よりも高い傾向にあり、1974年4月1日には110.6と1割程度高かった。

そこで、民間への配慮もあり毎年少しずつ下がってきたが、2004年の97.9をボトムに徐々に上昇傾向にある。
総務省の「平成28年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によれば、2016年4月1日現在のラスパイレス指数は99.3で前年から0.3ポイント増となっている。

都道府県で最も高いのは神奈川県の103.6で、最も低いのは鳥取県の93.7。市区町村で最も高いのは埼玉県越谷市の104.1、一方で最も低いのは大分県姫島村で76.3となっている。


業界関連用語


●キャリア
国家公務員採用試験のⅠ種(総合職)合格者で、幹部候補生として中央省庁に採用される者の俗称。いわゆる「官僚」。
そのほかの一般職員(ノンキャリア)と区別され、より早いスピードで出世し、高いポストを得るといわれるが、明確な制度があるわけではなく、各省庁による違いも大きい。
キャリア公務員の頂点は事務次官(ただし、外務省は駐米大使、法務省検事総長のほうが上だといわれる)。

人事院
国家公務員の採用試験、給与、勤務時間・休暇、研修、服務・懲戒、不服申立て、倫理の保持等を所掌する中央人事行政機関。


どんな仕事があるの?


●警察官
警察庁あるいは都道府県警察に勤務し、市民の生命と財産を守り、社会の安全と秩序を維持する。

自衛官
陸海空の各自衛隊に勤務し、日本の平和と独立を守り、国民の安全を保つ。国家公務員特別職のうち9割を占める。

●公立学校教員 
全国の公立幼稚園、小学校、中学校、高等学校などで教える。正式には教育公務員という。地方公務員のうち4割近くを占める。

●行政事務
政策や事業などの行政活動を、必要性や効率性、成果などについて評価し、限られた行政資源の中でよりよいサービスを実施するための事務管理などを行う。

●研究官
国や地方の研究所や試験所において研究・試験・検査などの業務を行う。