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教育業界の就職

 

[業界研究] 教育


概要


義務教育や高校・大学、および受験などに関連するものだけでなく、社会人はもちろん、乳幼児から高齢者まで、何らかの形で「学ぶ」に関するサービスを提供する。
形態も各種メディアの発達に伴って多様化してきている。


教育業界


主に進学向け、社会人向けの2つに大別される

教育業界は小・中・高校生を対象とした「進学向け」と、キャリアアップを目的とした「社会人向け」の2つに大別される。

進学向けでは少子化により子どもの数は減っているものの、新サービスによる販路拡大により、全体でも堅調な伸びを見せている。

社会人向けでは高齢化に伴い定年後の自己啓発や各種講座へのニーズが高まっている一方で、進学とは無関係の乳幼児教育にも裾野が広がっている。
キャリアアップ、独立志向、再就職のために各種資格や外国語検定の取得を目指す人は今後も増加する見込み。
特に通信教育や各種学校については、景気悪化により業界全体の規模は縮小方向にあるもののニーズの高まりにより成長が見込まれている。
「脱ゆとり教育」をめざし「ゆとり教育」からの決別を宣言
ゆとり教育」、「国際化」、「高度情報化」、「少子高齢化」といったキーワードをはじめ、大きな変化が続く教育業界。
中でも文部科学省が約30年間続けてきたいわゆる「ゆとり教育」路線の全面的な見直しを公表したことは記憶に新しい。

2008年に学習指導要領が改訂され、小学校では2011年度から、中学校では2012年度から、そして高校では2013年度から完全実施、これをもって脱ゆとり教育の開始と位置づけられている。

2014年度からは、各地方公共団体教育委員会の判断で土曜日の授業を実施できることになり、すでに土曜授業を導入している学校もある。
学力低下批判を受け、授業時間を増やすなど「ゆとり教育」路線は修正されつつある。

2016年5月10日、馳浩文部科学相は2015年度中に予定されている次期学習指導要領改訂に向け、授業内容を減らしたかつての「ゆとり教育」には戻らないとする見解を公表、「ゆとり教育」との決別を明確にすると明らかにした。

次期学習指導要領改訂の目玉とされ全面的な導入を目指している「アクティブ・ラーニング」は、子どもたちが自ら学び、討論や体験などを通じて課題を探究するもので、知識の量を削減せず、質の高い理解を図るための学習過程の質的改善を行うものと説明している。

次期学習指導要領は小学校で2020年度から、中学校で2021年度から、高校では2022年度から順次実施する予定になっている。
翻訳・通訳市場が活況な外国語ビジネス。早期に英語環境に慣れさせるプリスクール市場も拡大傾向
進学向け教育業界は、中高一貫校への人気を背景に、中学受験を中心に堅調な伸びを見せている一方、進学塾の買収や大手企業による子会社化が相次いでいる。

矢野経済研究所では、2016年3月~6月に国内における語学ビジネス市場に関する調査を実施。2016年7月にその概要をリリースしている。
それによれば、2015年度の語学ビジネスの市場規模(成人・幼児・子供向け外国語教室市場、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、電子辞書市場、e-learning市場、翻訳・通訳ビジネス市場など主要14分野の合計)は、前年度比1.7%増の8,272億円。

前年度に引き続き、幼児・子供向けサービス(幼児・子供向け外国語教室、プリスクール、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場)が好調であったこと、さらに翻訳・通訳ビジネス市場や語学試験市場も好調に推移したことが影響した。

なかでも、グローバル化の進展に伴い、さまざまな分野において英訳・日本語訳の案件を中心に翻訳ニーズが拡大。
製造業、特許・知財、メディカル、金融、IT・通信、法務・IRなど多様な分野からの案件が増えているとしている。

さらに、子供を小さいうちから英語環境に慣れさせたいというニーズからプリスクール市場も活況だった。
主要な顧客は、早期からの英語学習への意識が高い富裕層ではあるが、早期英語学習の需要者は増加傾向にあり、今後もターゲットなる層が拡大していくとしている。


豆知識


注目されるギャップイヤー
高校や大学の卒業後、大学や大学院に進学するまでの期間のことで、あえて入学を1年遅らせるなどして、留学やボランティア、インターンシップなど学校では得られない体験を通じて社会的見聞を広めるための期間とされている。

国内では、卒業から入学や就職までの期間が短いこともあって、あまり注目されていなかったが、東京大学が秋入学を検討し始めたことで、俄然注目をあびることとなった。
東京大学の秋入学自体は見送りとなったが、ギャップイヤーに対する認識が広がり、大学や企業でもさまざまな取り組みを行うきっかけとなった。

ただし、「“ギャップイヤー取得者”=“グローバル人材”&“優秀な学生”」、という短絡的な損得勘定での判断ではなく、まずはさまざまな経験を積んできた“ギャップイヤー取得者”に寛容である社会作りが求められるべきという指摘もある。


業界関連用語


●武道・ダンス必修化
2012年4月より、中学校保健体育において、武道とダンスが必修化された。
とりわけダンスに関しては「創作ダンス」、「フォークダンス」、「現代的なリズムのダンス(ヒップホップ)」で構成されており、公的資格としてヒップホップの資格も新設。
資格に対しては、本来のストリートダンス精神と相反するのでは、との声も上がっている。

少子化
出生率の低下に伴い、総人口における子供の割合が低下すること。国立社会保障・人口問題研究所が作成する「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によると、年少人口(0~14歳)は、1980年代初めの2,700 万人規模から2015年には1,595 万人まで減少した。
今後もさらに減少すると見られており、出生率を中位とした場合(高位、中位、低位の3種類の推計がある)、2021年に1,400万人台に減少、その後も減少が続き2056年には1,000万人を割り、2065年には898万人の規模になると推計している(高位推計では2065年が1,159万人、低位推計では同年が685万人)。

●全国学力テスト
文科省が全国の小学校6年生と中学校3年生に対して実施している学力テスト。正式名は「全国学力・学習状況調査」。
2007年4月に43年ぶりに実施され、以降毎年実施されている。教科は国語と算数又は数学の2教科のみ。

調査方法は、2007年度~は全国の学生に全員調査をしてきたものの、2010年には約3割の抽出調査に変更。
抽出されなかった学校でも自主参加ができ、約7割の学校が参加した。

国学力テストが過去に廃止となった要因である学校間・地域間での競争のエスカレートに繋がるのではないか等の弊害も指摘されているが、児童・生徒の学力の状況が客観的に把握できる、学習内容の振り返りができる等の意義も見直されている。


OECD生徒の学習到達度調査(Programme for International Student Assessment, PISA
経済協力開発機構OECD) による国際的な生徒の学習到達度調査のことで、頭字語からPISAと呼ばれる。日本では国際学習到達度調査ともいわれる。

義務教育の修了段階にある15歳児の持っている知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題にどの程度活かせるかを評価する調査。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について、2000年の第1回以降、3年ごとに実施されている。
なお、2015年の調査では科学的リテラシーを重点的に調査。加えて、筆記型調査からコンピュータ使用型調査に移行している。

2015年の調査では72カ国・地域(OECD加盟35カ国・非加盟37カ国・地域)が参加、約54万人の生徒を対象に実施。日本からは198校、約6,600人が参加した。
日本は国際的に見ると平均得点が高い上位グループに位置しており、参加72カ国・地域のうち、科学的リテラシーは2番目、数学的リテラシーは5番目、読解力は8番目という結果になった(1位はすべてシンガポール)。


どんな仕事があるの? 


●講師
生徒への学習指導。時には進路や生活等の相談に乗り、指導も行う。

●教室マネージャー
講師のマネジメントやイベント企画の立案・実行など、一つの教室運営に関わるすべてを担う。

●広報
生徒獲得のための宣伝広報活動を行う。少子化による子供の絶対数減少の中、広報の力がますます問われる。

●教務事務
入塾・入学の手続きや生徒の管理、講師のサポートなどを行う。

●教材・講座の企画、制作
市場のトレンドや需要を的確につかみ、売れる教材や講座の企画や制作にあたる。 


学校業界


中高一貫教育校は600校時代に突入
1998年の学校教育法改正により、公立学校での中高一貫校が新設されるようになった。
それまでの中高一貫教育は、中学校と高等学校のそれぞれが最低1校ずつ必要であったが、改正後は単一の学校(中等教育学校)が6年間の一貫教育を行えるようになった。
前期課程3年間は中学校に相当、後期課程3年間は高等学校に相当する。

6年間一貫教育を行うことで、これまで高校で教えていた内容の前倒し履修や、部活も含め中高の円滑な交流が可能になるなどの利点がある。なお、中高一貫教育校には、一つの学校として一体的に中高一貫教育を行う「中等教育学校」、高等学校入学者選抜を行わず中学校と高等学校がつながる「併設型」、市町村立中学校と都道府県立高等学校などが相互に教育課程の編成や教員・生徒間交流などの連携を深める形で中高一貫教育を実施する「連携型」の3種類がある。

文部科学省の「高等学校教育の改革に関する推進状況(平成28年度版)」によれば、2016年度の国公私立をあわせた中高一貫校は全国で595校。前回調査した2013年度の450校と比較して145校(公立14校、私立131校)増加している。

内訳は、中等教育学校が52校(2013年度は50校)、併設型が461校(同318校)、連携型が82校(同82校)となっている。2017年度以降にも公立12校、私立14校の設置が予定されており、中高一貫校は今後も増加するものと見られている。
小中でも進む一貫教育
一方、小中合わせて9年間の義務教育を一貫して行う指導も徐々に増えてきている。

先進は東京・品川区で、すでに2006年から区内のすべての小中学校で実施している。
これは9年間の系統的なカリキュラムを実現することで「中1ギャップ」と言われる、中学校入学当初のつまずき(環境の変化、勉強の難しさなど)を防ぐことが主な目的である。

また、横浜市も2012年度から市内の全小中学校で実施。規模が大きいだけに、注目を集めた。
ゆとり教育」から「学力重視」へ。新学習指導要領実施
小学校では2011年度から、中学校では2012年度から、そして高校では2013年度から新学習指導要領のもとでの教育が始まった。

新しい学習指導要領では、子どもたちの「生きる力」を今まで以上に育むことを目標としており、知識の詰め込み学習ではなく、学んだことを実際の生活で使える=活用できることが重視されている。

小学校では主要教科の授業時間が増加、外国語教育が導入され、中学・高校では主要教科の授業時間の増加、外国語教育と理数教育が強化される。
デジタル化が避けられない教育現場だが、導入に際しては課題も
黒板とチョーク、紙のノートに教科書が一般的であった教育の現場は、デジタル化が加速。

文部科学省の「平成27年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」によれば、2016年3月1日時点(以下同)で、学校に導入されたタブレット型コンピュータの台数は25万3,755台、2012年3月1日時点の2万6,653台と比較すると4年で約10倍と急速に台数を増やしている。

また、普通教室の校内LAN整備率は87.7%、30Mbps以上の高速インターネット接続率も84.2%と、ネット環境も整備されつつある。
なお、電子黒板のある学校の割合は78.8%と高いが、普通教室の電子黒板整備率は21.9%であり、本格的な普及はこれからになりそうだ。

タブレット端末を使うメリットは、動画や音声を利用できること。動画を使って数学の図形をわかりやすく解説する、理科の実験結果のデータをグラフ化する、英語の授業でネイティブスピーカーの発音を聞く、体育の授業ではフォームを確認するといった使い方が可能だ。

さらに、電子黒板とタブレット端末はネット経由で連動しており、タッチペンで入力した文字や回答などをすぐに電子黒板に転送することもできる。
政府でもデジタル教科書の導入を推進、経済界では新たな市場分野として期待する声も大きい。

ただし、従来とは全くことなる新しい教科書をしっかりと検定できるのかという指摘や、生徒全員に端末機を無料で配布できるのかどうか、教える先生側の負担はどの程度かといった、検討すべき課題も多い。


豆知識


新しい大学入試共通テストの概要が明らかに!
第二次安倍内閣において、教育提言を行う諮問機関である「教育再生実行会議」が、2013年10月に「現状のセンター試験に替えて、1点刻みではない“達成度テスト(仮称)”を創設する」ことを提言、当時、受験生はもちろん教育業界でも大きな話題となった。

2017年5月に、文部科学省大学入試センター試験の後継として2020年度(2021年4月入学)から導入する新しい「大学入学共通テスト」(仮称)の実施方針案を公表。1989年度のセンター試験開始以来の大きな入試改革となる。

同テストの大きな特徴として、国語と数学は、思考力や判断力、表現力を問うため、従来のマークシート式問題に加えて記述式問題も出題されること。
また、英語については、読む、聞く、話す、書くの4技能の適切な評価を行うため、実用英語技能検定(英検)やTOEICなどの民間資格、検定試験を活用することも明らかにした。
なお、記述式問題の採点は民間業者などに委託する。

同テストの出題科目はセンター試験と同じ30だが、高校の新しい学習指導要領が導入された後の2024年度以降に簡素化を含めた見直しをはかる予定だ。
当初目指していた、年複数回の試験実施や記述式問題を導入する教科・科目の拡大などは2024年度以降の見直しで改めて検討される。


業界関連用語


●高校授業料無償化・就学支援金支給制度
子ども手当」と同じく、民主党政権が2010年度から実施している子育て支援策のひとつ。
公立高校(中等教育学校の後期課程などを含む)の授業料を無償にし、私立高校や高等専門学校専修学校などの高校課程も同等額を軽減するもの(家庭の収入によって上乗せあり)。

ゆとり世代
文科省がそれまでの教育が詰め込みすぎだったことの反省として、週5日制、学習事項の削減、総合学習の新設などの「ゆとり教育」を実施した時代に小中学生だった世代。
学力低下が指摘されたり、「指示待ち世代」などとも言われたりするが、成果については確定的な評価はない。

国立大学法人
大学の構造改革の1つで、2004年実施。それまで99あった国立大学が再編・統合され、今では86校に生まれ変わった。
これにより、たとえば学科名の変更やカリキュラムの刷新、人事ポストの変更、予算の使い方などをそれぞれの大学が独自に行えるようになった。
同時に、少子化が進む中、大学の個性を発揮し、より優秀な学生を集めるための努力がますます必要になる。


どんな仕事があるの?


●教員
小中学校教員は、義務教育として定められた科目を教え、高等学校教員は、それぞれ専門とする教科を教える。
また、いずれも生徒の生活面や進路についての指導にもあたる。大学教員は、教授、助教授、講師または助手を指し、専門分野に特化した教育、研究、進路指導を行う。

●職員
教育研究以外の事務や労務を中心とした学生生活全般の支援、学校運営を行う。
また、文化推進のための情報発信や文化活動の企画・運営や学校の広報活動も行う。