タチバナ@774Netz

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若者が報われることはないから諦めた方がいいよ

科学で先行きがわかる時代

むかしの若者といまの若者が決定的に違うのは、「日本にかつてあった栄光の時代を肌感覚で知っているかどうか」だけではない。

 いまの若者は「人間社会のネタバレ(不都合な真実)」をあまりにもたくさん供給されてしまっている。

行動遺伝学や発達心理学の目覚ましい進歩は、私たちが想像していたよりもずっと「遺伝子」や「認知的特性」がその人の能力や人格、ひいては人生に大きな影響を与えることを、身も蓋もない真実として社会に「開示」した。たとえば、教育心理学者の慶応大学・安藤寿康教授の研究に基づく「遺伝と環境が様々な形質に与える影響」というグラフを見たことがある人はとても多いだろう。*1
 安藤教授によって世に出された、このたった1枚のグラフがもたらした社会的影響は計り知れないものだったと私は推測している。これによって、体格やIQはもちろん、性格特性から才能、発達障害や反社会性まで、ありとあらゆる側面が「遺伝」という本人の努力ではどうすることもできない刻印によって、とても無視できないほど大きな影響を受けていることが示されてしまったからだ。

遺伝・発達要因だけでなく環境要因についても、言葉を失うほどの「ネタバレ」が次々に提供されるようになっていった。たとえば東京大学学部生たちの親の世帯所得は6割以上が950万円を超えており、なかでも1550万円以上というきわめて例外的な高所得層が1割以上を占めるという驚くべき結果になっている。*2
エリートの子はエリートになるのである。また、畳みかけるように哀しいデータばかり紹介して申し訳ないが、東京大学を卒業した親の子どもは東大に合格しやすいことも示唆されている。*3
 高学歴者が高所得者になり、高所得者の子どもがまた高学歴者になり、そして高所得者となる。この階層固定化のループの根底を支えているのが「本人たちの努力」だけではなく、むしろ大部分は「遺伝」や「親の所得」「親の学歴」――つまり「運」であることが白日の下にさらされた。それが、2020年代の前提知識なのである。

 ようするに、2020年代を生きる若者たちは、「努力すれば報われる」というひと昔前まで肯定され賞賛されてきた美しい物語を否定する「身も蓋もない不都合な真実」を、社会からあまりにも数多く提供されすぎてしまった。

 自分が努力するかどうかよりも「運(親の遺伝子、親の所得、親が与えてくれる生活環境、人間関係)」が人生においては決定的にモノをいう。いや、それどころか「努力できるかどうか」すらも「運」によって影響を受けてしまう。これは世迷言ではなく、歴然とした科学的真実としてかれらの眼前に突きつけられている。

 現在の若者たちが「諦念」を抱いているものがあるとするならば、それは「社会」ではなくて「人生」そのものに対してである。

(全文はリンク先を見てください)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a571cc2168cd212c3412287141145f240ce02b02

諦めると途端に楽しくなる

不思議なんですが、諦めると今度は色々と楽しくなってくるわけですよ。

一回諦めてみるのもすごくいいかもしれませんよ。若者が勝てる未来なんてそもそもないのだから、快楽主義的に生きる方が合理的です。

エピクロスもそう言ってます。

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エピクロス(Επίκουρος、Epikouros、紀元前341年 – 紀元前270年)は、快楽主義などで知られる古代ギリシアのヘレニズム期の哲学者。エピクロス派の始祖である。