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正社員ってマジで神やぞ?

正社員の座を手放すな 生涯賃金で「億」の差も

正社員として働く正規雇用と、派遣社員契約社員、アルバイトや期間工など非正規雇用の働き方に分けて考えたとき、この差は徐々に解消されつつありました。「同一労働同一賃金」の取り組みです。

同じ仕事をするならば雇用契約のあり方にかかわらず同じ賃金、同じ賞与、同じ諸手当が支払われるべきだ、という考え方が求められ、その取り組みが徐々に進められてきました。

社会保険の適用についても同様です。企業規模や労働時間の線引きを徐々に引き下げ、働き方にかかわらず健康保険や厚生年金保険の適用対象とする流れが加速しています。今年の法改正でも一歩進展が見られました。

退職金についてもできるだけ同列に処遇すべきだという流れがあります。例えば派遣社員の退職金について労使が検討をするよう促しています(現実にはまだ、派遣元会社の制度によるので無関係とすることが多いようですが)。

ところが、新型コロナウイルスという大きな嵐の前では非正規という働き方のリスクが

~コロナ禍で浮き彫り 「正社員との壁」~
 

雇用状況を統計でみると、非正規の雇い止めが大きいことが分かります。7月末に公表された労働力調査総務省)によれば、就業者数は3カ月連続の減少で前年同月比77万人の減少、完全失業者数は5カ月連続の増加で前年同月比33万人の増加となっています。

正社員ももちろん、会社が営業を継続できない場合はくびになるリスクがありますが、「会社の雇用の調整弁」として非正規雇用のほうが優先される実態は否定できません。休業者数の内訳では非正規のほうが正規雇用の数を上回る状態が続いています。

また、アルバイトのように時間単位で賃金に反映された場合、働く時間が減少したことで収入が激減したという人も多かったはずです。

残業がなくなって残業代ゼロになるなど、正社員にも厳しい雇用状況、賃金状況ではありますが、やはりそれ以上に厳しいのが非正規の働き方です。

 

正規雇用は何重の意味でも価値がある~
 

ウィズコロナ時代に改めて考えたいのは、正社員という働き方は働く側にとって何重の意味でも価値があるということです。

まず、賃金水準です。非正規雇用は一般に長期勤続や年齢、あるいは役職や職階級で処遇しないため、働き続けても給与が増えていかないという問題があります。これに対し、正社員は徐々に賃金を増やすチャンスが高く、生涯賃金で「億」の差になる可能性すらあります。

次に賞与です。「正社員かどうか」を支払いの線引きとしている場合、非正規には賞与が支払われないことになります。中小企業でも年2カ月分くらい、大企業であれば年6カ月分くらいの給与額をまとまって受けられることがある賞与は、家計の大きな収入源です。非正規の場合、賞与をもらえないどころか、工場やオフィスが夏期休暇、ゴールデンウイーク休みや年末年始には収入がガクンと下がってしまいます。これは大きな差となります。

退職金も一般に「正社員かどうか」を対象範囲の基準としてきました。「厚生年金適用かどうか」ではないので、厚生年金対象になったとしても、退職金はもらえないことがあるわけです。退職金を夫婦のどちらももらえれば「老後に2000万円」がそれだけで準備済みになる可能性もあり、これをもらえない働き方は実にもったいない話です。

厚生年金適用も大きな違いです。一見するとたくさん保険料を引かれるので(本人負担9.15%)割が合わないように思いますが、平均寿命などを考えれば、そして相対的に長生きをする女性の老後を考えれば、国民年金にのみ加入するより価値があります(非正規でも厚生年金適用になる場合もあります)。

その他、諸手当、福利厚生制度でも差がつきます。自己研さんのために資格試験の勉強をしたとき、正社員には手当がつきますが、非正規は対象外のことが多いのです。あるいは、ホテルやアミューズメント施設の割引券も対象外だったりします。

非正規のほうが働く時間を自由にデザインできるという意見もありますが、これも時短勤務やシフト勤務、フレックスなどの活用が進み、正社員であっても対応できるケースが増えていると思います。

 

~正社員から離れない 正社員になるチャンスは逃さない~
 

今回の新型コロナウイルスの影響を踏まえた「新しいお金の生活様式」として強く認識すべき教訓は、「正社員の座を手放さない」ということです。

あなたが今、正社員の立場にあるなら「とりあえず退職してから考えよう」という考え方は禁物です。転職活動をする場合にも在職中にこっそりやっていいですし、「次の正社員の座」がみつかってから退職を切り出すべきです。

これはポストコロナ時代がきても同様です。もし、あなたが離職してのんびりしている間に経済が悪化したら、どこにもいけなくなる恐れがあります。大きなリスクであると考えるべきでしょう。

また、会社が傾いてきて危ないなと思ったら、早めに正社員のままで転職をすることをおすすめします。会社都合による離職では雇用保険がすぐに支給されるものの給付日数は限られているため、倒産してからの転職活動では転職先をじっくり選ぶ精神的余裕がなくなります。給料の遅配があったら急いで「次の正社員の座」のことを考えてください。

逆のケース、つまり今は正社員の立場になかった場合、正社員になることは少し厳しいハードルになりますが、それでももがいてみることをおすすめします。これが1年前なら正社員の有効求人倍率が1.1倍超という大チャンスだったのですが、悔やんでも仕方ありません。

企業にとっては「非正規は雇用の調整弁」かもしれませんが、私たちにとってはその調整弁とされるかどうかで人生が大きく変わってしまいます。こ