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死ぬまで働く時代に40代でしておくべき7つのこととは?

■60代、70代でも生き生きと働くために

 定年の延長や年金受給開始年齢の引き上げなどに関連したニュースを見るたびに、「自分はいったい何歳まで働き続けなくてはならないんだろう」と不安に思う方も多いかもしれません。

 実際、ビジネスパーソンとしての「寿命」はどんどん長くなっています。60代、70代でも働き続ける方は確実に増えていくでしょう。だとすれば、ただ収入を得るために「労働」するのではなく、自分の強みを生かして、やりがいを感じながら働くほうがいいですよね。

 私が転職エージェントの立場で多くのエグゼクティブ層のビジネスパーソンとお会いしてきた経験をふまえ、長く活躍し続けるために、40代までにやっておくべき7つのことをまとめてみました。

(1)人脈をメンテナンスする

 40代ともなると、20代の頃にお付き合いがあった人と疎遠になっている人も多いのではないでしょうか。例えば大学時代の友人、元同僚で他社に転職した人、仕事上のパートナーだったけれど契約満了などで会わなくなった人、など。

 10年、20年を経て変化し、昇進もしているでしょう。経営の重要ポジションに就き始める年代でもあります。そうした人々とのつながりを取り戻すことで、自身のビジネスや、今後の転職活動にプラスの影響を与える可能性があります。

 ぜひ一度、人間関係の「メンテナンス」をしてみましょう。幸い今ではSNS(交流サイト)という手段がありますので、昔の仲間を探して再度つながってみてはいかがでしょうか。

(2)会社以外の場で活動し、さまざまな人と交流する

 20年以上、同じ業界、会社、コミュニティーにいると、発想が凝り固まってしまうことがあります。すると、今後自分がどのように働いていくか、どう生きていくかについても発想が広がらず、可能性を狭めてしまうことになります。

 私がお付き合いしているエグゼクティブ層の皆さんは、「肩書を外して人と交流する場」を持っている方が多いと感じます。例えば、自己啓発セミナー、スポーツやカルチャーの社会人サークル、スクール、NPOのサポート活動など。

そうした場所では、異業界・異職種の人、年齢が離れた人など、普段接点のない人と出会え、異なる考え方や価値観に触れられます。それによって自分の発想力が豊かになれば、ビジネスにも生かせるでしょう。また、社外で築いた人脈からビジネスの芽が出ることも少なくありません。

(3)「遊び」の体験を増やす、広げる

趣味の幅を広げて「人間力」を高めることも大切=PIXTA
 前に挙げた項目と少し似ていますが、目的・意味が異なります。「奥行き」がある人間になるために、遊びの体験の種類を増やすということです。

 というのも、40代ともなると部下や後輩が増え、しかも若手メンバーとどんどん年齢差が開いていきます。そんな人たちが「この人と働きたい」「この人についていきたい」と思うかどうかは、ビジネスの経験やスキルだけでなく、「人間力」も響いてくるものです。

 エグゼクティブ層のビジネスパーソンを見ていても、人をひきつける魅力を持つ方々は、仕事一筋ではなく「遊び」でも感性を磨いています。例えば、サーフィン、マラソントライアスロン、絵画、陶芸、楽器演奏、料理、旅行など、多彩な趣味を持っています。年齢を重ねたからこそ、そうした遊びにコストと時間を投じ、人間としての幅を広げることも大切だと感じます。

(4)後輩や部下を大切にする

 年齢とともに増えていく後輩や部下を、ちゃんと「大切に」してください。当たり前のことと感じるかもしれませんが、気持ちだけで行動で表せていない人は多いと思います。日々の仕事に追われる中、指導やマネジメントが「必要最低限」になってはいませんか? 部下の成長を支援するような、プラスアルファの手間をかけていますか?

 部下を大切にし、真剣に向き合えば、モチベーションが上がりチームに貢献してくれるということもありますが、それだけではありません。いつか彼らの立場が、自分と逆転する日が来る可能性は十分にあります。人は受けた恩を忘れません。自分が後輩や部下に対して真剣に向き合い、彼らのために行動していれば、いつか自分にも返ってきます。

 部下に対して時間、エネルギー、お金をかけるということは、将来への投資ともいえるのではないでしょうか。

(5)家族と自身のキャリアの変動をふまえて計画を立てる

 この先、転職する、あるいは今勤務している会社で異動・転勤・出向を命じられるなど、環境が大きく変わることもあるでしょう。それと同時に、40代は家族の状況も変化する時期です。例えば、子どもが進学・留学する、育児が一段落した妻が働き始める、親の身体が弱り介護が必要になる……といったことが起こりえます。介護については、予測がつかないものですが、場合によっては「故郷に帰る」という選択肢も出てくるでしょう。

家族の変化のタイミングと、自身が動くタイミング。これがズレると、家族の関係がぎくしゃくしたり、経済的に厳しくなったりすることもあります。なるべく事前に予測して、自分で行動を起こす時期を調整するなど、早めに備えておくことをお勧めします。

(6)パーソナルブランディングをする

「この分野だったら○○さん」と頼られる存在になっておきたい=PIXTA
 会社から与えられた役割をこなすだけではなく、自分自身を積極的に発信して「自分ブランド」を築くこと。これは、私が日ごろから20代、30代の皆さんに強くお勧めしていることですが、40代でももちろん遅くはありません。

 自己発信の方法はいろいろあります。例えば、「自分の担当部門だけに引きこもらず、他部署にも意見や提案を発信する」「より働きやすい制度や環境をつくるために人事部門に進言する」「業務効率を高めるためにシステム部門に提案を出す」など。全社横断型の社内プロジェクトなどに手を挙げて参加する方法もあるでしょう。

 そうした活動を通じ、社内で自分の存在を広く認知してもらい、自分が大切にしている価値観や力を入れたい取り組みなどを広く発信するのです。どうなるかというと、自分が興味のあること、得意とすることに関連する情報が、どんどん集まってくるようになります。また、そのテーマに関する相談や頼まれごとが増え、それに取り組むうちに、さらにそれに関連した知識や経験が深まっていきます。「このテーマなら○○さん」と頼られる存在になり、社内での価値が高まるというわけです。

 自分の強みやこだわりは、ぜひ様々なかたちで広く発信していってください。やりたいことをするチャンスに、必ずつながっていくはずです。

(7)「攻め」の姿勢を保ち続ける

 40代になると、自分のスタイルや価値観が固まり、「守り」のモードに入っている人もたくさん見受けられます。そうすることで安心感を得られるかもしれませんが、これまでの路線を守っているだけでは、今後の上昇カーブはゆるやかなものとなり、やがて平行線となり、ふと気付くと下降しているかもしれません。

 10年、20年、30年後も、人生の選択肢が多い状態であるためには、「攻め」の姿勢も保っておきたいものです。ときには思い切った方向転換をしたり、場合によってはリセットして新しいチャレンジに向かったりすることで、この先、大きな上昇カーブを描けるかもしれません。

 ――いかがでしたか? すべてを一度に始めるというのはなかなか難しいことかもしれませんが、今やっておくかおかないかで、大きな差が生まれる可能性があります。新年を機に、できるところから、ぜひ心がけて始めてみてください。

※「次世代リーダーの転職学」は金曜更新です。次回は2018年1月5日の予定です。この連載は3人が交代で執筆します。

森本千賀子

 morich代表取締役 兼 All Rounder Agent。リクルートグループで25年近くにわたりエグゼクティブ層中心の転職エージェントとして活躍。2012年、NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演。最新刊「のぼりつめる男 課長どまりの男」(サンマーク出版)ほか、著書多数。

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