キャリア!-進学就職情報メディア-

-進学就職情報メディア-

印刷・事務機器・日用品

 

[業界研究] 印刷・事務機器・日用品

概要

本や雑誌、ポスターやお菓子のパッケージなど、写真やイラスト、文字などが入った画像をプリントし、世の中に広めるのが印刷業界の主な仕事。
文具・事務機器メーカーは、使いやすい文房具や事務機器を生み出し、世の中に広める。

印刷業界


出版業界や広告宣伝事業を支える

世の中にある本や雑誌は、写真や文字をきれいに写し出す印刷技術なくしては成り立たない。

また、駅や街で目にするポスターや看板、お菓子のラベルや化粧品のパッケージから段ボールまで、生活の中で目にする紙には、文字や写真が印刷されている。

これらの印刷をするのが、印刷会社の主な仕事だ。紙だけにとどまらず、液晶シートやデジタル家電など、産業資材への印刷技術も進化している。
長期にわたる出版不況のなか多角化が進行。大手を中心に脱出版事業をはかる
印刷業界では、雑誌・書籍などの「出版印刷」、チラシ・ポスター・パンフレットなどの「商業印刷」、商品パッケージなどの「商品印刷」などさまざまな種類の印刷に携わっている。
印刷・同関連業の事業所数は、製造業24業種中、「金属製品」「食料品」「繊維工業」「生産用機械器具」に次ぎ5番目に多く、全製造業の6.5%を占める巨大産業。

しかし、市場は1991年の出荷額8兆9,000億円をピークに右肩下がりに減少。
2016年3月に公表された経済産業省の工業統計調査(産業別)によれば、2010年に6兆446億円、2011年に5兆5,489億円に下落した後は、5兆4,000億円前後で横ばい状態にある。
一般社団法人日本印刷産業連合会の資料によれば、2014年の出荷額は、前年比0.2%減の5兆5,365億円となったが、全体の90%近くを占める主力の印刷業は4兆9,762億円で、前年比0.3%と微増ながらプラスに転じた。

とはいえ、ネット経由で膨大な情報が入手できるようになった今日では、書籍や雑誌、新聞といった従来型の印刷物は大きく減少傾向にあると同時に、出版物自体がデジタル化の流れを選択。従業員が300人以下の中小企業が多い日本の印刷産業を取り巻く環境は厳しい局面を迎えている。

他方、大手の印刷会社を中心に、業界全体が陥っている構造的な下降局面から脱するために新規事業を開拓、いち早く多角化をはかってきた。
例えば、大日本印刷凸版印刷では、半導体や液晶用フィルターなどの電子関連部材を取扱う事業が、主力の印刷事業に迫る収益をあげており、印刷不況のなかでもしっかりとした業績を確保している。
環境に優しい印刷技術の開発も注目される
今やどの業界でも環境対策は必要だが、印刷業界でもこの傾向は同じ。有害物質を含まないインクを使用したり、水資源を使わなくてすむ「水なし印刷」、使用する資材のリサイクルなど、地球に優しい印刷技術の研究開発も、常に行われている。

豆知識

電子チラシ
新聞販売店が新聞に折り込んで各家庭へ届ける“折り込チラシ”は印刷業界が受注していた業務の1つ。
近年はこうした“折り込チラシ”をインターネットで配信し、スマートフォンやパソコンで読める“電子チラシ”の利用者が広がっている。

利用者は、居住エリアを登録することで、近隣のスーパーやドラッグストアなどのチラシを毎日確認することができる。
ポイントを付与したり、ネット店舗で買い物ができたりと、電子情報の特長を活かした、新たなサービスも提供している。

なお電子チラシ大手といわれる「Shufoo!(シュフー)」は凸版印刷が、「オリコミーオ!」は大日本印刷と、従来同様印刷会社が手がけている。

Shufoo!(シュフー)」は、2017年1月現在で、30代~40代の主婦層を中心に月間850万人のユニークユーザー、月間2億8,000万のPV数がある国内最大級の電子チラシサービス。
いまでは、日本全国の3,500の企業、約104,000店舗のお買い物情報を配信している。

業界関連用語

デジタルサイネージ
表示と通信にデジタル技術を活用した電子看板。ビル壁面の巨大ディスプレイや広告用動画ディスプレイなどで広く利用されている。

印刷物を取り替える手間や時間が必要なポスターとは違い、デジタル通信で表示内容を随時変更することができるため、設置場所や時間帯によってかわるターゲットに向けて、タイムリーな情報発信が可能だ。

印刷会社の中には、特異なデジタル技術を使ってデジタルサイネージの販売事業を始めているところも多い。


電子ペーパー
紙のように薄く、軽く、紙にインクで書いたように読みやすいが、パソコン上のように電気を使って何度も書き換えができるペーパー。

大手印刷会社や各種メーカーが開発に乗り出しており、紙に代わるメディアになるのではないかと注目されている。
今後は低価格化が普及の鍵と言えるだろう。


印刷通販
インターネット上でユーザーがデータを作成・送付すると、印刷物が宅配便で納品される印刷サービス。

小部数から対応しており、色数・紙質・体裁・納期などが価格とともに明示されているので、ユーザーには使いやすく、また一般的には安い価格に抑えられている。

矢野経済研究所の調査によれば、2014年度の市場規模は645億円を想定。潜在需要は大きいと見られており、年率11%程度の伸びを予想、今後も成長が続くとしている。

どんな仕事があるの?

●営業
クライアント(出版社や広告代理店)の要望を吸い上げたうえで、企画提案を行い、クライアントと工場の窓口として、入稿から納品までの全工程に携わる。

● 企画
クライアントのビジネスに役立つ広告宣伝プランや印刷技術を使った新企画などを立案する。

DTPオペレーター
パソコン上で雑誌・書籍・広告などの印刷物をデザイナーの指示に従いレイアウトする仕事。会社によってはデザイナーが兼任するケースもある。

●研究開発
インクや印刷機などの印刷技術を改善したり、次世代の技術を研究開発する。

●生産管理
制作現場の全工程を理解し、品質、コスト、時間を管理する。品質管理と効率面のコントロールが重要な仕事。

文具・事務機器業界

使いやすい文具や事務機器を企画開発する

パソコンやスマートフォンの普及により、ペーパーレス化とともに文具や事務機器の出番も減っているものの、「書きやすい」「使いやすい」「おしゃれ」などの理由でヒット商品として人気の文房具もある。

近年では消せるボールペンなどがヒットした。使い手の要望や意見を汲み取り、使いやすくて、持ちたくなる文具や事務機器を生み出すのが、文具・事務機器メーカーの主な仕事だ。

また、企業では、オフィス用品を通販で買う方法が主流になっている。

カタログに紹介されている商品は、文房具や事務機器だけではなく、飲料やお菓子、家具など幅広く、オフィス環境に必要なものがほとんど揃っている。
注文すると翌日に届くなどスピードの速さと、価格の安さが特長。各社ともに、値下げ競争が続いている。
筆記具分野の好調もあり文具・事務用品市場はプラス成長
矢野経済研究所では、2016年10月~12月に国内の文具・事務用品市場の調査を実施、その結果の概要を2017年1月6日にリリースしている。

それによれば、2015年度の国内文具・事務用品市場は、メーカー出荷金額ベースで前年度比1.0%増の4,598億円。
2012年度以降は個人向け需要に対応したヒット商品が多く、なかでも筆記具分野が拡大し市場全体を押し上げていると指摘。
2015年度についても、引き続き筆記具が好調なこと、事務用品もプラス成長となったこともあって、全体もプラス成長になったと説明している。

例えば、2015年度の万年筆市場は、前年度比19.1%増の46億8,000万円。低価格のエントリーユーザー向けの商品が順調だったことに加え、かつての万年筆ユーザーだった中高年層の回帰、訪日外国人のインバウンド消費も市場拡大に貢献した。
また、大人向けの塗り絵ブームもあって国内鉛筆市場も前年度比18.0%増の82億円に拡大。なかでも塗り絵用の多色セット色鉛筆の人気が高く、好調な販売実績を記録した。

豆知識

ソリューション販売
複写機複合機、プリンターなどのオフィス用事務機器は、従来は箱(ハードウエア)売りが中心で、トナーやインクなどの消耗品で収益を上げるというビジネスモデルが定着していた。

しかし近年、各社は、複合機・ビジネスフォン・パソコンなどさまざまな機器の提案、導入、メンテナンス、サポートまでをトータルに行うソリューション販売へのシフトを目指している。

業界では、さまざまな機器やソフトウエアとの連携を強化して、効率的で最適なビジネス環境を構築するソリューションへの需要は増大すると見ている。

また、クラウド環境が整備されることでコストダウンや使い勝手が向上することになれば、今後は大企業だけでなく中小企業にもこうしたソリューション販売が拡張する可能性が高まると見ている。

業界関連用語

●MPS(マネージド・プリント・サービス)
大手事務機器メーカーが行っているサービスの1つ。メーカー側が顧客のオフィスに点在する出力機器の配置を提案し、さらに運用を請負うことで、継続的に業務改善とコスト削減を追求していく。

●グリーン購入法
国や自治体、製造メーカーなどが環境負荷の小さい商品を作り、広めるための法律。文具業界でもこの法律によって、リサイクル紙製品や再生プラスチックの活用などを心掛けている。

どんな仕事があるの?

●営業
自社商品を、顧客である企業や個人に提案・販売。顧客の要望を聞き出し、商品の改善や新商品企画に役立てる。

●商品開発
顧客の要望や意見を踏まえて、商品を改善したり、新商品を企画開発する。

●情報システム
生産管理や在庫管理などの情報を適切に保存・管理・流通させるためのシステムをつくり、維持する。主にコンピューターとそれをつなぐネットワーク、それらの保守運用全体が仕事。

●生産管理
生産効率を高めるために、生産に関する予測・計画を立てて管理をする。効率のよい生産体制を統括する仕事。

●基礎研究
商品の品質を改善したり、新しい商品開発に役立つ機能を研究開発する。