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ゴム・ガラス・セラミック

 

[業界研究] ゴム・ガラス・セラミック

概要

ゴム業界では、自動車用タイヤやチューブ、工業用ゴムなど、個人顧客やメーカー向けにさまざまな製品を製造・販売している。

ガラス業界では、板ガラス、容器ガラス、カメラなどに使われる光学ガラスなどを製造・販売。近年は、スマートフォン向けの需要が拡大している。

セラミックは、半導体や電子部品で利用され、こちらもスマートフォンや自動車向けを中心に底堅い需要がある。


ゴム・ガラス・セラミックス業界

自動車やデジタル家電、建築業界を支える素材

自動車や電化製品は、実にさまざまな素材が組み合わされて作られている。

ゴムやセラミックスもその素材の1つで、採用される製品向けに素材を提供している。
伸び縮みしやすく、強度にも優れているゴムは、自動車を支えるタイヤに欠かせないため、タイヤ業界が主な取引先。

また、セラミックスとはガラスやセメントも含む、固体材料を幅広く含んだ総称。

ガラスは、最近、液晶テレビ用のガラスパネルとして多く採用されており、セメントは土木・建築用の材料として使われている。
回復基調にあるゴム素材と、今後に課題を残すガラス素材業界
航空機や自動車のタイヤ、工業用のゴムホースやゴムベルトに使われるゴム製品は、日本の技術力の高さが世界的に高く評価されてきたこともあって、これまで国内外で安定的に需要が伸びてきた。

ところが2008年は、リーマンショックの影響で自動車の売上が減少。
その影響は、主要取引先であるタイヤメーカーにもおよび、日本ゴム工業会の統計によれば、ゴム製品全体の出荷金額は2009年は前年比74.6%と大きく減少している。

2010年はその反動もあって前年比21.3%増、2011年・2012年についても前年比増となっている。

2013年のゴム製品生産量は1,395,470トン、出荷金額合計は約2兆2,793億円で、生産量・出荷金額とも前年比98.6%で微減となったが、2014年の出荷金額合計は約2兆3,535億円で前年比3.3%増となった。

しかし、2015年のゴム製品の出荷金額は前年比96.1%の2兆2,621億円、2016年についても前年比96.4%の2兆1,806億円と2年連続で減少している。なかでも、金額の大きい自動車用タイヤが2016年は前年比92.5%の1兆1,406億円と減少していることが影響している。

他方、2016年3月に公表された経済産業省の工業統計調査(産業別)を参考に、ガラス関連産業の製造品出荷額を集計したところ、2008年に4兆5,727億円あった出荷額は、リーマンショックの影響で2009年は3兆4,410億円にまで急落。

2010年と2011年は4兆円台をキープしたが、2012年には再び3兆3,928億円まで減少、2013年、2014年も同様の規模で推移している。

世界的には建築用ガラスや自動車用ガラス、テレビ、スマートフォンタブレット太陽光発電パネルと、ガラスに対するニーズは拡大傾向にあるが、液晶テレビ太陽光発電パネルに見られるように完成品に対する価格競争が激化しており、ガラス価格にも強い値下げ圧力がかかっている。

そういった状況を鑑み、日本のガラスメーカーは市場を世界へと移しつつあると同時に、高機能ガラスの開発や販売にも注力している。

割れにくくスマートフォンなどで採用されている強化カバーガラスや、断熱性能が高く省エネにもつながるエコガラス、ガラスの色を透明からダークブルーに瞬時に変化させられる調光ガラスなど、競合他社との差別化を図れる製品の登場で今後の市場拡大が期待される。
構造改革と再編を繰り返したセメント業界。中期的には堅調な国内需要が見込まれるが、海外市場にも活路を
一般社団法人セメント協会によれば、日本のセメント産業の本格的な始動は1875(明治8)年にさかのぼり、以来、140年以上の歴史を積み重ねてきた。

セメント産業は巨大な装置と広大な敷地を必要とする、典型的な装置産業。その歴史は構造改革と再編の歴史とも言われており、共同事業会社の設立や大型合併を行い、時代の流れと要請に応じて産業構造そのものを変化させてきた。2016年4月現在、企業数17社、30工場があり、クリンカ(セメントの中間製品)生産能力は55,962千t/年となっている。

工場の所在地は北海道から沖縄まで全国に分布しているが、セメントの主原料となる石灰石資源が豊富な北九州地区、山口県と国内最大の消費地を抱える関東地区に多く立地している。

業界を取り巻く環境は厳しく、セメント生産は1996年度に99,267千トンとピークとなった後、公共工事の削減やマンション着工の減少などによって毎年減少傾向を辿っていたが、2010年度の56,050千トンで底打ち。
その後は3年連続で前年を上回ったが、2014年度は前年比98.0%の61,139千トンと4年ぶりに前年を下回り、2015年度についても同96.9%の59,23千トンと2年連続で前年を下回った。

ただし、復興需要や国土強靭化事業、2020年東京オリンピックパラリンピックの整備事業などのプラス要因があるため、国内需要は安定的に推移するものと考えられる。
また、アベノミクスによる成長戦略が軌道に乗り民間設備投資が活況となれば、さらにプラス効果も期待できる。
一方で、経営の合理化に加えて、国内市場だけにとどまらず海外市場の開拓に力を入れている企業もある。

豆知識

パンクしても走り続けられるタイヤの仕組み
パンクしてタイヤ内の空気圧がゼロになっても、走り続けられると話題のランフラットタイヤ。時速80kmで80kmの距離を走行可能という。

突然のパンクにも冷静に対処できるだけでなく、スペアタイヤが不要になるため、車内の有効スペースが広がる、軽量化・低燃費化がはかれる、といったメリットもある。

ランフラットタイヤにはいくつかの種類があるが、乗用車用としては、パンクしても強化したタイヤの側面(サイドウォール)で荷重を支える、“サイドウォール強化タイプ”が一般的だ。

なお、ランフラットタイヤを装着するときは、パンクでタイヤの空気圧が下がったときに警告してくれる、「TPMS(タイヤ空気圧モニタリングシステム)」の装着が必須である。
セメントとコンクリートの違い
セメントはコンクリートを作るための材料の1つで、よく見かけるのは灰色の粉末状のもの。
大別すると以下の3つに分けられる。

ポルトランドセメント(石灰石と粘土を混ぜて焼いたクリンカにせっこうを混ぜたもの)
・混合セメント(クリンカとせっこうに混合材料を混ぜたもの)
・特殊セメント(超速硬性や膨張性などの特殊な性能があったり、歯科用など特殊用途でのセメント)

通常目にすることが多いのは「ポルトランドセメント」。
なお、ポルトランドの由来は、固まった後の色や硬さが、イギリスのポルトランド岬で採れる建築材の『ポルトランドストーン』に似ていることからそう呼ばれている。

一方、セメントに、水、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)を混ぜて固めたものがコンクリート。コンクリートの中に鉄筋を入れると鉄筋コンクリート、さらに鉄骨を埋め込むと鉄骨鉄筋コンクリートとなる。
なお、セメントに水だけを混ぜたものはセメントペースト、さらに細骨材(砂)を加えて混ぜたものをモルタルと呼び、それぞれを区別している。

業界関連用語

●強化カバーガラス
急速に普及する、タッチパネルを採用したスマートフォンタブレット
これらの製品では、摩擦や衝撃から本体を守り、きれいな表示を実現するカバーガラスが求められている。

ガラスメーカーでは、こうしたニーズに応えて、衝撃や傷に強い強化カバーガラスを開発し販売している。

この分野のガラスは、自動車への応用展開も期待されており、今後も需要増が見込まれている。


●セラミックフィルター
ファインセラミック(産業向けに開発された、より精度や性能が優れたセラミックのこと)製の膜フィルター。

耐熱性・耐薬品性・耐有機溶剤性などのセラミックの特長を活かした、精密ろ過装置などに使われる。

有機膜(ポリエチレンなどの有機高分子化合物を素材とする膜)が溶けてしまい使えないような用途や領域でも安定的に使用できる。


●導電性ゴム
電気を通す性質を備えたゴムのこと。

ゴム自体には電気伝導性はなく、電気を通しにくい絶縁体としてのイメージが強いが、ゴム原料に金属や炭素などを添加することで、導電性を持たせることができる。

また、添加物の割合に応じて、導電率を変化させることも可能である。

ゴムの特長である柔軟性はそのままなので、さまざまな形状に加工でき、帯電防止材、電磁波シールド材、リモコンの接点材料など、種々の分野で利用されている。

どんな仕事があるの?

●営業
タイヤや家電、建築用などに使われる天然・加工素材を、顧客であるメーカーや卸会社に提案・販売する。

●資材調達/購買
各工場からのニーズをとりまとめて、国内外から原料や素材を仕入れる。

●商品開発
既存商品を改善するほか、新商品の企画を立てて、試作や開発を行う。

●基礎研究
次世代向け製品に役立てるため、最先端技術の研究を行う。

●生産管理
制作現場の全工程を理解し、品質、コスト、時間を管理する。品質管理と効率面のコントロールが重要な仕事。