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冠婚葬祭

 

[業界研究] 冠婚葬祭

概要

冠婚葬祭業界では、人が生まれてから亡くなり、その後に執り行われる法事などまで含めた催し物全般を取り扱っている。
「冠」とはもともと元服(成人を示すために行われる儀式)に由来するもので、今では成人式などでのお祝いを指すことが多い。
「婚」は結婚式、「葬」は葬式のこと。「祭」は法事など先祖の霊をまつること全般をいう。

冠婚葬祭業界

婚姻件数の減少や少子化、「少人数婚」の影響で市場は縮小傾向。あらたな成長戦略にチャレンジ

ブライダル業界には、結婚相談・結婚情報サービス業、結婚式場業などの業種がある。

矢野経済研究所では、2016年12月~2017年2月に国内ブライダル市場の調査を実施。2017年3月のリリースによれば、2016年のブライダル関連市場は(*)、前年比0.7%減の2兆5,290億円とやや縮小を見込んでいる。
ブライダル関連市場の過半数を占める挙式披露宴・披露パーティ市場が前年比0.5%減の1兆4,090億円と3年連続で縮小したことをはじめ、ジュエリー、新婚旅行などすべての分野において縮小が見込まれることが要因だとしている。

また、厚生労働省の「平成28年(2016)人口動態統計の年間推計」によれば、2016年の婚姻数(推計)は62万1,000組で、2015年の婚姻数(確定)63万5,156組を約14,000組も下回っている。婚姻件数の減少も市場が縮小した要因の1つだと考えられる。

近年は招待客を少人数に絞り込み親族を中心に行う「少人数婚」スタイルが増加しており、婚姻1組あたりの単価は減少傾向にある。
そのことも市場縮小の要因の1つだが、一方で親族を中心とした挙式披露宴では親の意見が反映されやすく、料理や衣装のアップグレード、事前の写真撮影によるアルバム作成などへの波及効果もあり、想定よりも1組単価が高くなるケースも多い。
従来通りの挙式披露宴にとらわれず、顧客のさまざまなニーズに応じた柔軟な対応やサービスの提供が求められている。

矢野経済研究所では、2017年のブライダル関連市場についても、前年比0.6%減の2兆5,150億円と予測している。
長期的には少子化を受けて、ますます婚姻件数の低下が見込まれることから、国内の婚礼事業を運営しつつも、ホテル運営や外食事業といった婚礼以外の事業に活路を求めたり、海外での婚礼事業を開拓したりと、あらたな成長戦略を模索している。

*この調査でのブライダル関連市場とは、挙式披露宴・披露パーティ、新婚家具、新婚旅行、ブライダルジュエリー、結納式・結納品、結婚情報サービスの主要6分野が対象。
葬儀業界にホテルや生花店などから新規参入が相次ぐ
葬儀業界は、葬儀一式を請け負う。また、しきたりに関する相談やトラブルへの対応など、アドバイザー的役割も果たす。
近年、少しずつ葬儀の形が変化し、故人が好きだった音楽を式場に流す「音楽葬」や、身内だけで行う「家族葬」など、新しいスタイルのものも増えている。

今まで、葬儀の料金体系は利用者にとってわかり難いと言われていたが、生前にあらかじめ葬儀方法・料金を決定しておく「生前予約」の定着や、必要最低限のサービスをパックにして低料金で提供する業者も登場してきた。

従来の葬儀市場は、葬儀に特化した専門業者と、冠婚も行う冠婚葬祭業者の2者があった。

しかし近年は、流通業、電鉄各社、ホテル、生花店、農協などからの新規参入が相次いでおり、既存業者との競争も激化している。
「模擬葬儀体験」や「入棺体験」など、ユニークなイベントを主催する業者も登場するなど、今後は業界も変化していきそうだ。

なお、厚生労働省の「平成28年(2016)人口動態統計の年間推計」によれば、、2016年の死亡数は129万6,000人と推計、前年の129万0,444人を約6,000人上回っている。
2016年11月1日時点の確定日本人人口は1億2,693万7,000人。
つまり、1年間で人口の約1%に相当する方が亡くなっていることになる。
他方、2016年の推計出生数は98万1,000人、人口の自然減は31万5,000人となる(2015年は28万4,767人減)。

豆知識

急増する僧侶派遣
都市部を中心に、お寺と檀家関係にある世帯は減少傾向にあり、お寺との付き合いがない人が増えている。そのため葬儀では、葬儀会社に僧侶の手配や紹介を依頼することも多い。

その際、複数のお経料、戒名料、お車代、お膳料などさまざまな名目でお金を渡すことも多く、このことも葬儀に関わる費用がわかりにくいとされる原因の1つだ。
こうした事情もあって、僧侶の手配サービスを専門に行う業者が増えている。

こうした業者の特長は、料金が明確であること、安価であることで、いわゆる“心づけ”も不要とされている。
葬儀に関わる費用は、料金体系が明確になったり、定額制が導入されたりと、以前とは様子が変わってきているが、僧侶に支払う“お布施”に関してもそうした明朗会計の流れになっているのが実情だ。

業界関連用語

●ハウスウエディング
一軒家を結婚式の会場として貸し切り、挙式をするウエディングスタイル。「我が家にゲストを呼んで式を挙げる」というコンセプトで、アットホームな雰囲気が人気となっている。
会場を貸し切ることで、さまざまな趣向を凝らすことができるため、オリジナリティを重視するという最近のニーズにもマッチして、市場は年々拡大している。


●生涯未婚率
45~49歳と50~54歳の未婚率(結婚したことがない人の割合)の平均値から、50歳時の未婚率を算出したものが生涯未婚率(生涯を通して未婚である人の割合を示すものではない)。
生涯未婚率は総務省が5年ごとに行う国勢調査の結果に基いて、国立社会保障・人口問題研究所が発表。最新の「人口統計資料集 2017年版」によると、生涯未婚率は、2005年で男性が15.96%、女性が7.25%だった。

それが2010年には男性が20.14%、女性が10.61%と増加し、女性の生涯未婚率が初めて2桁になると同時に男性の生涯未婚率は20%を超えた(ちなみに1920年は男性が2.17%で女性が1.80%)。
さらに、2015年には男性は23.37%、女性は14.06%とそれぞれ3ポイント程度増加した。
近年は年を追うごとに生涯未婚率は増加傾向にあり、また年齢別の未婚率も同様の傾向を示している。
日本人の未婚化・晩婚化、さらに結婚する意思がない非婚化が進んでおり、少子化問題の大きな原因となっている。

2015年に同研究所が結婚と出産に関する全国調査(第15回出生動向基本調査)を実施している。
その調査結果によれば、「いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は男性85.7%、女性89.3%と高い水準にあるが、結婚へ踏み切れない理由としては「結婚資金」が最も多い(男性43.3%、女性41.9%)。
また、結婚相手の条件で考慮・重視するのは、「人柄」が最も多く(男性95.1%、女性98.0%)、次いで「家事・育児の能力」(男性92.8%、女性96.0%)となっている。


●生前予約
生前に本人や家族が葬儀の形式や費用などを作り、その内容を葬儀社と契約すること。
核家族化などの影響で、「人生の最後は人に迷惑をかけたくない」という人が増えていることなどから、需要は増加している。


家族葬
家族などの近親者だけで葬儀を行うこと。なお密葬は、近親者やごく親しい友人らだけで行う葬儀のことをいい、日を改めて別途本葬(お別れ会やしのぶ会など)が行われる。
本来は本葬を行わず密葬だけを行うことはありえないのだが、近年は、家族葬=密葬ととらえて、本葬を行わない密葬も増えているようだ。
なお、お通夜・告別式を行わず、火葬のみを執り行う葬儀は火葬式や直葬という。
どんな仕事があるの?
●ウェディングプランナー
結婚を考えるお客さまにカウンセリングをし、会場や演出、費用などのプランを作成する。

●メモリアルディレクター
葬儀の企画、予算の見積もり、会場の設営、儀式の司会進行などを行う。