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陸運・海運・物流

 

[業界研究] 陸運・海運・物流

概要

運輸業界は「人」あるいは「物」を、「陸」「海」「空」のいずれかを通り、「鉄道」「自動車(トラック)」「船」「飛行機」のいずれかで運ぶ。
物流業界は、さまざまな「物」を、「保管」「仕分け」「輸送」する。
陸運・海運・物流・倉庫業

陸運では、対象の顧客や地域によって、国内外法人向け、国内法人向け、海外法人向け、国内個人向けなどを主な業務にしている会社に分かれる。

海運では、船舶を使って旅客や貨物を運ぶ。コンテナ船を使って定期的なスケジュール・寄港地で運搬する「定期船」、ばら積み船・タンカー・専用船などを使い、貨物に合わせたスケジュール・寄港地で運搬する「不定期船」、国内・海外に向けた「旅客船」などがある。
こうした物の流れを効率的に管理する(ロジスティック)のが物流・倉庫業界の仕事。

ネット通販の拡大と輸出入の増大で取扱量は拡大するも人手不足に悩む陸運業界
公益社団法人全日本トラック協会によれば、国内貨物総輸送量はトン数では年間約47億トン(2014年度)、そのうちトラック輸送は約9割を担っており、日本の物流には欠かせない存在となっている。
だが、新規事業者参入による競争の激化、高額な高速道路使用料、環境問題への取り組み、慢性的な人手不足、EC(e-コマース)の拡大による取扱量の過度な膨張など、取り巻く環境はかなり厳しいのが現状だ。

日通総合研究所が2017年3月に公表した「2017年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」によると、2016年度の国内貨物は、住宅投資の増加もあり建設関連貨物が堅調に推移したことや、ネット通販の増大などもあり総輸送量は0.5%増となった。
2017年度については、消費関連貨物や生産関連貨物はプラスを、建設関連貨物は大型の公共工事が期待できないこともあってマイナスを見込んでおり、総輸送量は0.1%減の微減になると予想している。

国際貨物輸送については、外貨コンテナ貨物が2016年度下期になって世界経済にやや持ち直しの動きが見えたことからプラス成長を、2017年度上期は前年度の堅調な荷動きを引き継ぐものの、下期は前年度同期の急増の反動などで伸び率が鈍化すると見ている。

年度全体では輸出・輸入とも前年度を上回る2年連続のプラス成長を予想。国際航空貨物輸送量については、2016年度下期は輸出・輸入とも10%近いプラス見込み。
2017年度は、下期は前年度同期の大幅増の反動で伸び率こそ減少するが、年度全体では輸出・輸入とも総じて堅調で、こちらも2年連続のプラス成長を予想している。
2年連続で大幅な減収減益に見舞われた海運業界。最悪期は脱し、次年度は増収増益へ
国内の海運業界は、再編を繰り返した結果、売上高が1兆円を超える、日本郵船商船三井川崎汽船のいわゆる大手3社体制が確立されている。

海運業界では、景気の動向によって大きく収益が変化するが、2015年から主に中国向けの鉄鉱石や原料炭の輸出が大幅に減少した。
中国など新興国の経済成長を見込んで発注した船舶がここにきて続々と完成していることもあり、船舶の需給がアンバランスになり、当初は堅調な決算を見込んでいた海運会社の2016年3月期の通期業績は軒並下落。大きな打撃を受け、各社は保有船舶の合理化や、船舶需給の適正化を早急にはかるなど対応に追われた。

そうした経緯を経た結果、日本郵船の2017年3月期売上高は前期比15.3%減の1兆9,239億円、経常利益は同98.3%減の10億円となった。前期(2016年3月期)は、大手3社の中では唯一182億3,800万円の純利益を確保したが、今期はコンテナ船や貨物航空機などで特別損失を約2,000億円計上したため2.657億円の赤字となった。

商船三井の2017年3月期売上高は前期比12.1%減の1兆5,044億円、経常利益は同29.9%減の254億円となった。
前期に2,207億円もの特別損失を計上したこともあり、今期は最終的に53億円の純利益を確保した。
川崎汽船の2017年3月期売上高は前期比17.2%減の1兆302億円、経常利益は524億万円のマイナスとなった。
前期の522億円に引き続き、事業再編に伴う特別損失として852億円を計上したため、最終損益は1.395億円の赤字となった。

2016年度(2017年3月期)の世界経済は、アメリカや中国などを中心に後半から勢いを増し拡大基調を維持。昨年度に記録的な低水準に陥った海運市況も最悪期を脱し、徐々に持ち直しの機運が高まっている。
各社とも2016年度決算は売上、経常利益とも前年度比でマイナスとなっているが、2017年度(2018年3月期)決算についてはいずれも増収増益を見込んでいる。
宅配便取扱実績は5年ぶりに対前年比マイナス
国土交通省発表(2016年7月22日)の「平成27年度宅配便取扱実績について」によると、平成27年度の宅配便取扱個数は、37億4,493万個。
前年度と比較すると、1億3,114万個、3.6%の増加となり、2年ぶりの対前年度比増となった。

そのうちトラック運送の取扱個数は、インターネット通販による需要拡大や、営業努力による新規需要開拓などにより前年度を上回った事業者もあり、前年度比3.8%増の37億447万個。トラック運送については大手への集中が進んでおり、上位5社の占める割合は全体の99.8%。さらに、「宅急便」、「飛脚宅配便」、「ゆうパック」の上位3便だけで全体の92.9%に至っている。

他方、航空等利用運送は前年度比7.4%減の4,047万個とマイナスになった。航空等利用運送はトラック運送ほどは寡占が進んでいないが、「飛脚航空便」、「宅急便タイムサービス等」、「フクツー航空便」、「スーパーペリカン便」の4便で全体の38.9%を占めている。
また、メール便の取扱冊数は52億6,394万冊。前年度比で3.7%減、2億31万冊のマイナスとなった。
倉庫は「保管」から「配送センター」化へ
物流業界では今、M&A、共同物流の推進、施設の集約化の3つがニーズとしてあげられており、不況下の中でも大型物流施設の需要が堅調に推移している。

また、倉庫といえば「保管」というイメージが強いが、近年、それがどんどん薄れてきており、現在、企業は在庫の削減や、ジャストタイム生産システム(JIT)によるリードタイムの軽減など、商品や部品を倉庫に保管する期間をいかに減らすかに注力している。

このため、倉庫も輸送モードの異なる場面での「積み替え」や「配送センター」としての機能がどんどん重要になってきている。今後は、緩やかな景気回復基調もあり、国内、輸出とも環境改善が期待される。
荷主のパートナーとして効率化をめざす
貨物量は5年間で約10%減少するなど業界にとって局面は厳しい。

しかし、最近では上述のように倉庫を使わずに消費者にダイレクトに届くケースが増えている。
その意味で、倉庫業ロジスティクスのさまざまな面で荷主のパートナーとなって物流そのもののコストダウンやより効率的なシステムを構築していく必要がある。

2001年の規制緩和によって、「倉庫を持たない」倉庫業者も生まれるなど、競争はますます激化しており、さらにここ数年、大規模な外資の攻勢も激しく、日本の倉庫業界にとっての大きな脅威となっている。

豆知識

格安の船旅を可能にした「海のLCC
シニア層を中心に人気が高い、大型の豪華客船での船旅。
世界一周の船旅では数百万円から数千万の旅費がかかるものも多い。
航空業界では、LCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)が多数市場に参入したことでいち早く価格破壊が進んだが、こうした波が、海運業界にも押し寄せている。

従来こうした豪華客船は欧州発着の航路が多かったが、欧州経済の低迷をうけて、日本をはじめアジア地域を発着する航路が増えた。

そうした経緯もあり、安い旅費で船旅が楽しめる“格安クルーズ”が多数登場。それまで敷居が高かった船旅にも気楽に参加できるようになった。
こうした“格安クルーズ”を航空業界のLCCになぞらえて、“海のLCC”と呼んでいる。

業界関連用語

3PL(スリーピーエル)
サードパーティーロジスティクス(Third Party Logistics)の略。企業の流通機能全般を一括して請け負うアウトソーシングサービスのこと。
荷主の立場に立った戦略的、効率的な物流を提案し、荷主の配送・在庫管理などの業務を、プランニングやシステム構築などを含め、長期間一括して請け負う。

フォワーダー(forwarder)
荷主とトラックなど実際の運送を行う運送事業者との間に立ち、貨物の運送取扱、利用運送およびこれらに付帯する業務(運送関係書類の作成、通関業務、保険代理業など)を行うことを業とする者。

●バルチック海運指数(BDI=Baltic Dry Index)
ロンドンにあるバルチック海運取引所が発表する、外航不定期船の運賃指数。
1985年を1000とし、世界各地の海運会社やブローカーなどから主要な航路の運賃を聞き取って算出している。
この指数は、世界経済や穀物・鉄鉱石などの商品価格の先行指標といわれている。海運市場だけでなく海運会社の株価との連動性が高いこともあり、株式市場でも注目されている。

どんな仕事があるの?

●物流管理
倉庫・物流センター内における商品の入出庫管理を行う。保管管理、流通加工、在庫コントロールなど。

●情報管理
受発注の管理、配送・集荷の指示、在庫・伝票管理など、物流過程における情報管理を行う。

●物流コンサルタント
物流現場の改善や在庫削減、物流センターの開発などを行い、ロジスティクスシステムを設計する。

システム開発
流通の合理化のため、さまざまなクライアント向けに効率的な物流システムを開発する。