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その他メーカー・製造関連

 

[業界研究] その他メーカー・製造関連

概要

ものづくり大国日本には、さまざまな消費材、生産材メーカーが存在し、それぞれ独自の技術力や開発力を持っている。

東日本大震災で注目された防災関連製品や、建築や工場などの作業現場を支える安全衛生製品、あらゆる業種の物流に関わる梱包・包装材専門メーカーなど、その種類は多岐にわたる。

専門人材の派遣やアウトソーシングによって製造業をサポートする技術者派遣、受託開発といったビジネスも存在する。
その他メーカー業界
独自技術、特定市場で高シェアを持つ中堅製造業
防災関連製品や、特殊な作業環境化で使用されるマスク、作業服などの安全衛生製品は、安全基準を満たす製品を作る技術力に加え、防災、安全に関する法律などの専門性を必要とする特殊な分野である。

このように特定の市場の細かなニーズに応えることができる、いわゆるニッチ分野を得意とする製造業は、中堅企業でありながら高シェアで安定を誇る企業も多い。

梱包・包装材専門メーカーにおいても製品名が一般名称化するほどのシェアを持つ企業がある。

しかし価格競争に陥りやすい定番製品のみでなく、飲料の鮮度を保つ高機能容器の開発や、流通効率を上げる形状の梱包資材、店頭での販売力を上げるパッケージデザインなど、顧客のビジネスをサポートする製品の開発で付加価値を上げている。

職人技術を必要とする楽器や、品質が重視されるベビー用品などを手がける企業は一般消費者の認知度も高く、そのブランド力を活かし、楽器メーカーが音楽教室を、ベビー用品メーカーが保育園を運営するなど、関連サービスを展開している。
高い「安全」へのニーズ
2011年の東日本大震災の影響もあり、「防災」・「減災」をキーワードにした新たな産業や市場が胎動している。

防災関連製品や安全衛生関連製品は、もともと景気に大きく左右されない分野であるうえ、復興需要などによる建設業界の好況により、防災用品や防毒マスク、作業着などを扱うメーカーへの需要は増加傾向にある。

また、2013年4月に施行された、東京都帰宅困難者対策条例では、「企業は社員3日分の食料や飲み物を備蓄する義務を負う」とあり、この条例をきっかけに防災関連用品の備蓄に乗り出す企業も多い。

加えて、近年の異常気象による災害やPM2.5の飛来などもあり、個人の危機管理に対する意識はさらに強まって、企業も含めた「安全」へのニーズはますます高まると見られている。
製造業・非製造業を問わず進行するグローバル化
経済産業省の「第46回海外事業活動基本調査」(2016年7月調査)によると、2015年度の製造業の海外生産比率(国内全法人ベース)は、前年度比1.0%ポイント増の25.3%と4年連続で増加し、過去最高水準となった。
一方で海外設備投資比率は25.5%と、前年度と比べて2.6%ポイントの減少となった。

自動車メーカーなどを筆頭に製造業全般において工場の海外移転が進んでおり、長らく続いた円高により、顧客である大手メーカーの海外生産を支えるため、中小メーカーの移転も相次いだ。業種別では、自動車や鉄道車両などの輸送機械(48.8%)、エレベーターやボイラなどのはん用機械(33.8%)、通信や放送用機器などの情報通信機械(29.4%)といった業種の海外生産比率が高い。

また、現地法人の売上高は前年度比0.7%増(前年・当年とも提出のあった企業のみの比較では同4.5%増)の274兆円、業種別では輸送機械、食料品、サービス業などが増加している。

一方で、経常利益は前年度比10.8%減の9.6兆円、当期純利益は同15.1%減の6.5兆円、当期内部留保額は同36.9%減の2.0兆円と、ともに大きく減少した。ただし、日本側出資者向け支払い(配当金、ロイヤルティなど)は4.5兆円と、前年度比20.2%増で過去最高水準を記録している。

アベノミクス相場や日銀の金融緩和で、極端な円高の是正が進み製造業の国内回帰の気運も高まっているが、将来的にはアメリカやヨーロッパ、中国、さらにこれらの国々の近隣国では需要の伸びが見込めるため、現地での部品調達・生産・販売といった流れは継続すると見られている。ただし、現地で良質で安価な労働力を確保することは年々難しくなっている。

少子化により国内需要が減少している楽器やベビー用品などでも、中間層が増えている中国や新興国を有望市場としており、海外でのブランド強化をはかっている。
豆知識
インフラ輸出の鍵を握る鉄道産業の海外展開。インドやタイでは新幹線導入で合意
外市場で積極的に鉄道事業の実績を上げている日立製作所の「鉄道ビジネスユニット事業戦略」(2016年6月1日)によれば、2014~2016年の世界の鉄道市場は13兆2千億円(1ユーロを120円として換算。暦年ベースの対象期間における平均値)、2017~2019年には14兆6千億円にまで拡大すると予測している。
地域別では北米が5.4%増の2.9兆円から3.4兆円へ、西欧が2.8%増の4.0兆円から4.3兆円へ、アジア・太平洋が3.3%増の2.4兆円から2.9兆円へ伸長すると想定している。

鉄道事業の海外展開は、車両の輸出にとどまらず、車両の維持管理や、運行システム、信号といった保安設備など関連する産業が幅広いため、受注を獲得できれば大きな恩恵を受けることができる。
日本の高速鉄道は、他に類を見ない地震対応技術、大きいのに軽量な車両、開業以来事故による乗客の死傷者がゼロ、平均遅れ時間が1分以内など、高い技術と信頼性で知られており、官民一体となって海外へのトップセールスを行っている。

日本の鉄道システムが輸出された代表例としては台湾新幹線が有名だが、2015年12月にはインドのムンバイ-アーメダバード間の高速鉄道で日本の新幹線が導入されることで合意。
さらにインドでは他の路線でも高速鉄道計画があり参画を目指している。

他にも東南アジアではタイのチェンマイバンコク間で新幹線の導入が決まっており、2018年中には着工の見通しだ。
さらにタイ-マレーシア間、マレーシア-シンガポール間でも高速鉄道導入計画があり、それぞれの国の間で協議を始めることを表明している。
また、アメリカなどではリニアモーターカーの導入計画もあり、リニアモーターカーも新たな輸出商品として期待されている。

業界関連用語

OEM/ODM
Original Equipment Manufacturer/Original Design Manufacturingの頭文字をとったもの。

いずれも発注元のブランド名の製品を製造すること。OEMは発注元の仕様に基づいて製造し、ODMは設計から製造までを一貫して行う。

技術力があるOEMメーカーは、より販売ブランド力のある発注元企業に製品を売ってもらえる、発注元は自社開発コストを削減できるなどのメリットがある。


ファブレスメーカー
企画、設計のみを行い、生産は外部に委託するメーカーのこと。

研究開発、企画に経営資源を集中できる、小規模企業でも生産設備を持たず製品を生み出せる、市場変化に対応しやすいというメリットがあるが、自社で生産技術を蓄積できないというデメリットもある。

製品サイクルが短いコンピューターや、ベンチャー製造業などにファブレスメーカーが多い。


3Dプリンター
3次元のデジタル設計データを元に、樹脂、金属粉末などで立体を作成する技術。

製品の試作品のコストを削減できるほか、他の製造技術では難しい複雑な形の立体造形物を作ることができるなど、製造業の競争力を向上させる重要な技術として注目されている。

大規模な生産ラインを持たず、小ロットの生産が可能なため、多様なニーズに応える小規模な生産メーカーが増えるともされている。

どんな仕事があるの?

●営業
製品の販売、生産の受注を目指し営業を行う。自社の技術に加え、顧客ニーズを知るための幅広い知識が必要。

●品質・生産管理・メンテナンス
生産現場において、製造ラインの設計や、メンテナンス、品質管理に関する業務を行う。

●機械・電子機器設計
専門知識に基づいて、機械、電子回路の設計を行う。

●生産・製造技術
試作品として開発された製品を、実際に工場で生産するための製造行程を作る。

●応用研究・技術開発
ニーズに基づいて、必要とされる技術を研究、開発する。
受託開発・技術派遣業界
製品・技術サイクルが早まるもの作りの現場を支える業界
製造業の技術開発の業務には高い専門性が要求されるが、これらの専門人材の育成には、コストも時間もかかり、一時的な需要の増加や、技術革新のスピードに対応しきれなかったりする場合がある。

これらの課題を、技術者の派遣や業務のアウトソーシングで支えるのが、「技術派遣業界」である。

設計から生産までのさまざまな開発プロセスに対応する多様な技術者を抱える大手から、IT開発、化学、バイオの研究など特定分野に強みを持つ派遣・アウトソーシング企業が存在する。
特定派遣事業の廃止で
労務の提供を行う「派遣」と、業務の完遂を目的とした「受託開発」の両サービスを提供する業界であるが、このうち「派遣」は派遣法により規制を受ける事業である。

技術派遣で働くエンジニアの多くは、派遣元企業と正社員契約を結ぶ「特定派遣」の形態をとっていたが、2014年の労働者派遣法改正により、届出制の特定労働者派遣事業は廃止され、許認可制の一般労働者派遣事業のみとなる。

特定労働者派遣事業では、労働局が書類を受理すれば事業を始められたが、一般労働者派遣事業では資金面や事務所の広さなどさまざまな要件があり、許認可を取得するのは簡単ではない。

さらに、この改正で、派遣労働者のキャリア形成を支援する制度を用意しなければならないなど、以前の制度よりも許認可のハードルが高くなる見通しだ。

大手の技術系派遣会社では、すでに一般労働者派遣事業の許認可を取得するなどの対策をとっているが、技術系派遣では規模の小さな派遣事業者が多く、この改正に対する影響は無視できない。その余波は派遣者や派遣先企業にも及ぶことになりそうだ。
好調な自動車、スマートフォン関連の派遣需要が高まる
2008年のリーマンショックに端を発した景気悪化に加え、民主党政権下の派遣法改正案提出による制度変更の先行き不透明感から、派遣業界全体の業績は落ち込んだ。

技術派遣においても、リーマンショックの影響で派遣稼働率は大幅に減少したが、その後、企業の研究開発投資が回復するにつれて稼働率も持ち直され、特に業績が好調な自動車関連やスマートフォン関連の電気電子部品の分野などでの需要を取り戻している。

豆知識

取得しておきたい主なIT資格
技術系派遣の仕事には、「SE・プログラマ」や「ネットワークエンジニア」、「システムの運用管理・保守」などさまざまな分野があり、いずれも高度な専門知識が求められる。

特定の技術や資格があれば、給与面で優遇されたり手当が支給されることも多い。こうした対象になりうる資格には以下のようなものがある。

情報処理技術者試験
経済産業省情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験。
基本から高度な知識や技能まで、さまざまな試験がある。

●シスコ技術者認定
シスコ社による技術者認定資格。エントリーから最高水準のアーキテクトまで5つのレベルがある。

●オラクル認定資格
ラクル社による技術者認定資格で、多種多様な認定試験が用意されており、データベース管理者を対象にした「オラクルマスター」はよく知られている。
Sun Java認定資格も、オラクル認定資格の1つとして運営されている。
業界関連用語
●受託開発(業務請負
労務の提供である派遣契約とは違い、仕事の完遂を目的とした契約で、依頼先の業務の一部、もしくは全部を請け負うこと。

契約によっては、仕事の依頼先に常駐して行われることもあるが、依頼先は、仕事の完遂のための指揮命令や労務管理は行わない。

時間精算の派遣とは違い、固定報酬を支払うことが多いため、依頼先が予算見込みを立てやすいメリットがある。

●派遣法改正
労働者派遣法は、派遣が常用雇用(正社員)に置き代わるのを防ぐため、派遣業種や、派遣期間の制限を行っている。

1985年の制定以降、規制緩和が進んでいたが、「派遣切り」が社会問題化したこともあり、2012年の改正では日雇い派遣の原則禁止など規制が強化へ向かった。

しかし雇用の現状に即していないという批判もあり、2014年の法改正では、派遣制度が大きく見直され、届出制の特定労働者派遣事業は廃止され、許認可制の一般労働者派遣事業のみとなった。

どんな仕事があるの?

●機械・電子機器設計
自動車、電子機器、家電など、依頼先の製品の設計開発に携わる。仕様の検討、基本設計、機械・筐体設計などを行う。

●品質・生産管理・メンテナンス
自動車、電子機器、家電など、さまざまな依頼先の製造部門の生産技術に携わる。

●応用研究・技術開発
自動車、半導体など、依頼先の技術開発に関わる。新しい技術の製品化のため、試験、分析、評価業務などを行う。

システムエンジニア
依頼先のシステム設計に携わる。要求分析、基本設計、プログラミング、テストを経て製品を仕上げる。

●営業
取引先企業のニーズを聞き、製品開発に適した自社エンジニアを派遣する。派遣したエンジニアのフォローも行う。