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百貨店・スーパー・コンビニ

 

[業界研究] 百貨店・スーパー・コンビニ

概要

高級イメージや名物催事、あるいは「デパ地下」という言葉がすっかり定着した「百貨店」、食料品を中心に日常の買い物に不可欠な存在である「スーパーマーケット」、さまざまな商品の買い物や用事が24時間いつでも1つの店で済む利便性が受けている「コンビニエンスストア」。

消費者としてもっとも身近な存在であるこれらの店だが、それぞれに厳しい競争を繰り広げており、店舗数を絞る、再編が進むなど激動の時代にある。
百貨店業界
インバウンド効果で百貨店の購買客数は増加するも売上高は減少

日本百貨店協会の発表によると、2016年の売上高は前年比2.9%減の5兆9,780億円で、昨年に続き前年割れとなった。
訪日外国人客の来場客数は前年比18.5%増の約297万人と増えたものの、年間売上は同5.3%減の約1,843億円とマイナスになったことが響いた。
中国人観光客を中心とする高額商品の大量買いが一段落した影響と見られる。全体的には、売上の31.7%(2016年の数値)を占める衣料品が前年比5.8%減の1兆8,933億円と落ち込んだことや、28.1%を占める食料品が同1.0%減の1兆6,788億円となったことも響いた。

一方で、前年比プラスとなったのは、1兆60億円を売上げた雑貨(前年比0.9%増)や4,390億円を売上げた化粧品(同.6%増)などわずかにとどまった。

日本政府観光局(JNTO)の推計によれば、2016年に日本を訪れた外国人は2,404万人。政府は2020年の訪日外国人旅行者数の目標を2015年の約2倍となる4,000万人、2030年には約3倍となる6,000万人にしている。

また、観光資源のさらなる魅力アップはもちろん、宿泊施設や無料の通信サービス、キャッシュレス対応といったインフラ面の整備、人材育成なども進め、訪日外国人の旅行消費額を2020年に8兆円、2030年に15兆円(それぞれ約3.5兆円だった2015年の2倍超と4倍超)へ拡大することも目指している。
生き残りをかけて相次ぐ百貨店・デパートの新装開店と将来を見据えた大改装。一方で閉鎖も
百貨店業界では、近年、東京や大阪の旗艦店とよばれる大型店舗での改装やリニューアルオープンが相次いでいる。
百貨店の老舗「伊勢丹新宿店」は2013年3月に全面改装、“世界最高のファッションミュージアム”をテーマに新しく生まれ変わった。

百貨店業界では、近年、東京や大阪の旗艦店とよばれる大型店舗での改装やリニューアルオープンが相次いでいる。
60階建ての超高層ビルあべのハルカス”には「あべのハルカス近鉄本店」がオープン。東京でも、2015年に三越銀座店が順次行っていた改装を終えてグランドオープンしている。
さらに、既存店を取り壊し、新しい商業施設へと生まれ変わるケースも増えている。

東京銀座では松坂屋銀座店跡地を中心に銀座再開発プロジェクトが始動。2017年4月に、ワールドクラスクオリティの241ブランドが集結した、エリア最大の複合施設「GINZA SIX」が誕生している。

大阪では阪神百貨店梅田本店も店舗やオフィスビルとして建て替えられることが決定しており、2022年春の竣工を目指している。

一方で、都内で唯一のフランス系百貨店として長年に渡り親しまれてきたプランタン銀座は、2016年末にその幕を下ろすことになった。

豆知識

“シャワー効果”と“噴水効果”
いずれも、百貨店などで売上に効果的とされる販売戦略。

“シャワー効果”は、最上階にレストラン街を充実させたり、バーゲンや物産展など人気の催し物会場を上階に配置したりするなどして、上から下への流れを作り、途中の階で何かを購入してもらうという戦略。

一方、“噴水効果”は、人気の高い食品売場や集客力の高いテナントなどを下の階に配置することで、下から上への流れを作る戦略。
人気の高い食品売場が1階や地下にあるのは、こうした理由がある。

また、もう1つ“デパ地下”特有の事情がある。デパ地下では“中食”といわれる惣菜の人気が高く、来店者から常に新鮮な商品が求められている、そのため店内に大規模な厨房設備が欠かせないが、上層階ではこうした設備の確保が難しいこともある。

業界関連用語

大規模小売店舗立地法
それまでの「大規模小売店舗法大店法)」に代わる法律として、2000年6月に施行。店舗面積が1,000平方メートルを超える大型店を対象に、交通渋滞や騒音、環境汚染など、周辺の生活環境や住民への影響などに配慮することを求めるもの。

●イートイン
主にデパートの地下食料品売り場(デパ地下)やコンビニエンスストアなどで、販売エリアとは別に数席から10席程度のスペースで飲食ができるようになっているエリア。デパ地下には有名老舗店が多く出店しているが、イートインではそれら有名店の商品を手ごろな値段で味わうことができる。また、一人で軽食を取りたいときなどに適しており、女性客に人気だ。

どんな仕事があるの?

●経営企画
予算編成や業務管理、店舗開発、情報システム構築、人事管理など、会社全体の経営方針の策定や経営改善策の企画立案・推進を行う。

●バイヤー
世の中のトレンドを予測し、商品を仕入れる。月や週単位での売上げ計画策定、期間限定ショップの誘致、折り込み広告の商品選定などを行う。

●セールスマネージャー
売り場全体の責任者。販売員をまとめ、企画やバイヤーなどの関連部署と連携をとりながら売り上げ増を図る。

●販売
ディスプレイなどの売り場作り、お客さまが商品を購入する際のアドバイスを行う。顧客のニーズを汲み上げて売り上げにつなげるのも大切な仕事。
流通・チェーンストア業界
消費行動はいまだ控えめ。競争が激化するなかで収益率アップをめざす
日本チェーンストア協会(56社9,376店舗)によれば、2016年度の総販売額は前年度比1.3%減の12兆9,717億円と、2015年度のプラスからマイナスに転じた。
8兆4,812億円で総販売額の65.4%を占める食料品。天候の影響で農産品の価格が上がったため食料品全体をカバーしたが、夏場に苦戦したこともあり、昨年と同等の売上となった。

農産品は夏場を除き堅調に推移し前年度比2.0%増、ライフスタイルの変化もあり惣菜も年間を通じて順調で同0.3%増となった。
さらに健康志向の高まりもあって、健康を促進すると報道された高カカオチョコレートや納豆などの商品も好調だった。
一方で、水産品は年間を通じて低調で前年度比2.9%減となった。

1兆910億円で総販売額の8.4%を占める衣料品は、天候要因によって季節ものの販売が苦戦したこともあって、前年度比6.3%減となった。
2兆5,985億円で総販売額の20.0%を占める住関連商品は前年度比2.9%減。家具・インテリアは同1.0%増となったが、日用雑貨(同2.4%減)、医薬・化粧品(同5.3%減)、家電製品(同6.5%減)といずれもマイナスになった。

消費増税の延期は流通・チェーンストア業界にとっては福音といえるが、消費者の先行きに対する不安感はいまだ払拭されず、ターゲットとなる中間層の個人所得があまり伸びないという現実もある。
さらに、拡大しているネット通販や専門店との競争が激化している。
そのため、仕入れ・物流などの効率化やリーズナブルなPB商品の拡充、大手メーカーとの共同開発の強化など、収益力アップを目指してさまざまな取り組みを進めている。
積極的な環境問題への取り組みに成果
流通業界でも環境問題を真剣に考えさまざまな施策を講じている。

具体的には、レジ袋無料配布の中止、容器包装の簡素化・減量化、店頭での牛乳パックやペットボトル、アルミ・スチール缶などの回収、食品リサイクルの推進、といった取り組みを積極的に行っている。

日本チェーンストア協会の発表によれば、レジ袋の無料配布中止を実施しているのは、31社2,492店舗。年々増加するレジ袋辞退率は52.83%となっている(いずれの数値も2016年7月時点)。
また、売れ残り食品のリサイクル率も向上しており、肥料や飼料に還元される食品は、2006年度の30.6%から2014年度は54.0%へ向上している。

豆知識

「日本で最も見学者が多い」といわれるスーパー
福岡県を中心に展開するスーパーマーケット「ハローデイ(HalloDay)は、“日本で最も見学者の多いスーパー”として知られている。

人気の秘密は“魅せる”売場作り。商品のディスプレイに様々な工夫が凝らされており、アミューズメントパークのような光景が広がっている。
効率化を図る他のスーパーと異なり、手間隙をかけた“魅せる”を追求することで売上と利益を伸ばしている異色のスーパー。
同業者のみならず、多方面から注目をあびている。

業界関連用語

●ネットスーパー
大手・中堅スーパーがこぞって参入しているネット通販。
店頭と同じ価格で24時間365日注文でき、注文後2~3時間で配達してくれるなど、乳幼児のいる主婦や高齢者にとっては特に便利。
一定の価格以上購入すれば配送料も無料になる場合が多い。
対象エリアが限定されるが、今後ますます拡大すると予想される。

プライベートブランド(PB)
スーパーやコンビニエンスストア、デパートなどが生産して販売する独自のブランド商品のこと。
食料品や日常品、家庭用品や電化製品などで展開されている。
OEM(相手先のブランド名で製造すること)で生産されることが多く、流通業者が販売価格を主体的に決定しやすい、商圏特性や店舗特性に応じた商品を提供しやすい、有名ブランドと比較すると安価である場合が多いといったメリットがある。

●容器包装リサイクル法
家庭から出るごみの約6割(容積比)を占める容器包装廃棄物のリサイクル制度を構築することで、廃棄物の減量と再生資源の十分な利用を図る目的で1995年に制定、97年に施行された法律。

●牛肉の輸入規制解除
BSE対策の見直しで、2013年2月から輸入牛肉の規制が緩和された。
それまで生後20カ月以内に限定されていた米国やカナダ産牛肉に加え、輸入が禁止されていたフランスやオランダ産牛肉について、それぞれ30カ月以内であれば輸入できるようになった。
米国産牛肉の安定供給につながるこの規制緩和により、大幅な輸入量の増加が見込まれている。

どんな仕事があるの?

●経営企画
予算編成や業務管理、店舗開発、情報システム構築、人事管理など、会社全体の経営方針の策定や経営改善策の企画立案・推進を行う。

●バイヤー
商品の発注・検品などを行う。仕入れではその店舗がある地域の土地柄や顧客の層を分析し、それに合った商品をそろえることが重要。

●スーパーバイザー
店舗を巡回し、よりよい売り場作りやスタッフ教育など総合的なアドバイスを行う。

ストアマネージャー
売場全体を管理するいわば責任者。商品管理や売上管理、店内のレイアウトの提案、販促用ディスプレイの企画、スタッフの育成や管理などを行う。

●販売
各売場での販売。担当売場で直接顧客と接し、顧客の望む商品やサービスを提供する。
コンビニエンスストア業界
2016年も売上高、店舗数、客数は好調を維持
買い物以外にも日常のあらゆる用事が済ませられるコンビニ。
ATMはもちろん、オンラインで注文した商品の受取りやクリーニングの受付け、商品の宅配などサービス内容は広がるばかりだ。

一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会が正会員9社(2016年9月より8社)を対象に行った調査によると、コンビニの2016年年間売上高は前年比3.6%増の10兆5,722億円で、年間を通じて前年比プラスで推移した。
また、年間平均客単価も全店ベースで前年比0.9%増の614.4円と増加している。

背景には新サービスの展開や拡大もあるが、ライフスタイルの多様化による食生活の変化(個食や食の外部化の進展、健康志向の増加や嗜好の変化など)が大きい。
店内調理品などのカウンター商材、弁当、調理麺、調理パン、惣菜、冷凍食品、デザートなどの売上は好調に推移している。
また、天候不順による野菜の高騰を受け、カット野菜やサラダなどの販売を強化したことも功を奏したようだ。

2016年12月末現在のコンビニの店舗数は5万4,501店。店舗数の伸びは前年比2.8%増(1,497店)で、大幅な増加となっている。
来店客数に関しても、年間を通じ前年比プラスで推移。年間来店客数は172億785万人(前年比2.7%増)となった。
少子・高齢化に備える店作り
一人暮らしをする若者にとってコンビニは、住みよい生活環境として欠かすことのできないものとなっている。

しかし、少子高齢化が進む中、若者だけではない、中高年を含むすべての年代に受け入れられる工夫が不可欠であろう、と日本フランチャイズチェーン協会は述べている。

また、景気の低迷が続く中、価格を抑えたPB商品の充実や、定価販売が原則だったメーカー品の値下げ販売も行われるようになった。
大手コンビニはどこも独自のポイントが貯まるカードを発行して、客の囲い込みを図る一方、自然素材重視、生鮮食料品専門の店など、特徴のある店づくりで差別化に力を入れている。
合従連衡を繰り返すコンビニ業界。2位を巡る3強の争いはさらに熾烈に
コンビニ間の競争は激化しており。2010年頃から生き残りをかけて合従連衡が進んでいる。
現在はセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社が3強といわれているが、売上高、利益ともセブンイレブンが圧倒的に強く、実情は2位をローソンとファミリーマートで争っているのが現状だ。

そんななか、業界3位のファミリーマートと業界4位のサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループ・ホールディングスが2016年9月に経営統合、両社の店舗数を単純に合計すると1万8,000店舗を超え、業界1位のセブンイレブンの店舗数(2017年4月末現在で1万9,453店)に迫ると話題になった。

王者セブンイレブンの牙城は簡単には崩せそうにないが、ローソンとファミリーマートの2位争いはさらに熾烈を極めると見られており、今後のローソンの動きは大いに注目される。

豆知識

食品流通における3分の1ルールが生み出す食品ロス
3分の1ルールとは、食品流通業界の商慣習で、食品の製造日から賞味期限までを3分割し、「納入期限は、製造日から3分の1の時点まで」「販売期限は、賞味期限の3分の2の時点まで」を限度とするもの。
食品流通過程で製造者(卸も含む)・販売者(小売り)・消費者が、食品の製造日から賞味期限までの期間を3分割して分け合おうと考え方がベースになっている。

例えば賞味期限が6カ月の場合、3分の1の2カ月目が販売者への納品期限、3分の2の4カ月目が消費者への販売期限となる。

つまり、製造から2か月以内で販売者に納品できなかったり、賞味期限まで2か月を切ってしまった商品は、賞味期限が残っているにもかかわらず大半が返品、破棄となる。
日本だけで、推計で年間500万~800万トンもの食品ロスが発生していると言われている。
日本での年間の米の生産量が約800万トンであることを考えれば、莫大な量が破棄されていることになる。

政府をはじめ、食品メーカーや流通各社でも積極的にこの問題に取組んでおり、小売りへの納品段階で賞味期限の“3分の2残し”から“2分の1残し”へ緩和する動きもある。

また、賞味期限が間近となった食品や食品衛生上問題がない規格外品はフードバンク活動などへ寄贈するといった活動も行われている。
一方で、消費者が賞味期限にこだわりすぎるという意識の変化こそが最も重要かもしれない。

業界関連用語

●コンビニスイーツ
量が少なく手軽に買えるコンビニスイーツは、男性の購買が増えたことによって売上を伸ばしている。
今までスイーツを買うのが恥ずかしかった男性も、コンビニなら抵抗なく購入できるとあって、「今やコンビニでスイーツを購入するのは、半数以上が男性」と言われるほど。
各社とも包装や味などに工夫を凝らすなど、男性向けスイーツの開発に力を入れている。

●登録販売者制度
薬事法の一部改正により2009年6月から新たに始まった制度。
それまで医薬品の販売が可能なのは薬剤師のみだったが、登録販売者資格を取得すると、ドラッグストアなどで売られている一般用医薬品の第2類(解熱鎮痛薬、主な風邪薬など)と第3類(ビタミンB・C含有保健薬、主な消化薬など)の販売がコンビニエンスストアなどでも可能になった。

●コンビニいれたてコーヒー
コンビニエンスストアの店頭で購入できるコーヒー。
専用のマシンを使い、いれたての香りや味わいが低価格で楽しめると人気を集めている。
コンビニごとに、豆の種類や焙煎方法、ブレンドなどにもこだわっていて、すでに売上や収益に影響する規模にまで販売数は拡大している。
コンビニ同士はもちろん、コーヒーチェーン店やハンバーガーチェーン店なども巻き込んだ熱い戦いが繰り広げられている。

どんな仕事があるの?

●経営指導(ストアインストラクター)
店舗に合った品揃え、製造数の改善、衛生管理などを店長をはじめ、新入社員、パート、アルバイトに指導する。

マーチャンダイザー(MD)
オリジナル商品を開発する。商品評価、テスト販売、販売戦略についての情報発信、販売効果の検証など、開発から販売までの流れを一貫して受け持つ。

●情報システム
データベース・ネットワーク構築、POSなど、チェーンストア運営のために必要不可欠な情報システムを管理・運営する。

●スーパーバイザー(SV)
直営店の店長やスタッフ、およびフランチャイズオーナーに対し経営指導を行う。販売データ、顧客データを分析し、売り上げ増のための対策を練る。本部と加盟店とのパイプ役。

●店舗開発(RFC
立地選定のため通行量や人口密度、顧客の層などを調査する。加盟店のオーナー候補者に店舗運営を説明し、新規出店契約を結ぶ。出店したい土地・建物の所有者や経営者に直接アプローチするのも仕事。