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ホテル・旅行

 

[業界研究] ホテル・旅行

概要

ホテル業界は、施設において宿泊や宴会、飲食などのサービスを提供する。洋式の客室を有するホテルに対して、客室が和室で主に1泊2食付きの料金設定をしているものは旅館と呼ばれる。
旅行業界は、交通、宿泊など旅行に関する商品を仲介あるいは企画して販売する。

ホテル業界

宿泊以外にもさまざまなサービスを提供

ホテルは、宿泊はもちろんレストランやバーなどでの飲食、結婚式や宴会の開催など、さまざまなサービスを提供し、それによって収益を上げている。最近はホテルメイドのパンやお菓子、アメニティグッズなども人気が高い。
減少傾向にある宿泊施設だが、訪日外国人客数の増加で稼働率は急上昇
観光庁の「宿泊旅行統計調査」によれば、2016年12月現在で宿泊業を営むホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体などの宿泊施設の数は49,108施設だった。前年は49,984施設で876施設の減少となった。

従業者数別では、従業者が100名以上の大型の宿泊施設は全体の2.1%となる1,025施設であるのに対して、従業員が10人未満の宿泊施設は3万7,186施設と全体の75.7%を占めている。
2016年の延べ宿泊者数は4億9,418万人泊となり、昨年の5億408万人泊を下回る結果となった。

宿泊施設タイプ別に延べ宿泊者数を見ると、ビジネスホテルが最も多い2億709万人泊、旅館が1億308万人泊、シティホテルが7,757万人泊、リゾートホテルが7,367万人泊と続いている。

また、延べ宿泊者数のうち外国人延べ宿泊者数は7,088万人泊と、2015年の6,561万人泊からさらに増加している、なかでも中国人は2014年の780万人泊から2016年は1,683万人泊へと903万人泊も増えている。
ホテル業界の競争は厳しく、宿泊施設自体は年々減少傾向にあるが、東京オリンピックパラリンピックを見すえて、都心を中心に外資系ホテルの新規参入も相次いでおり、国内の老舗ホテルも全面改装を行うなど競争に拍車がかかっている。

今後は、高価で豪華な大手ホテルなどの宿泊施設と、安くて個性的な新手のホテルとの二極化が進むと見られている。
また、訪日外国人客の急増で、特にシティホテル(78.7%)とビジネスホテル(74.4%)の稼働率は高まっており、東京オリンピックパラリンピックに向けて深刻なホテル不足が懸念されている。

解決策の1つとされるのが民泊の拡充だ。地域住民とのトラブルなど問題点を指摘する声もあるが、年間で10兆円の経済効果を試算する経済団体もあり、本格的な民泊解禁に向けた法整備が待たれる。
ユニークなプランの提供で国内旅行者への訴求と増加する外国人客の取り込みが鍵
競争が激化しているホテルや旅館では、多様化する顧客のニーズに応えようとユニークなプランを提供しているところもある。
ホテルでは、食事やスパがセットになった日帰りプランや、「日曜限定」、「女性限定」などと銘打ったプランなどを用意している。
一方、旅館では、従来の「15時チェックイン1泊2食付で10時チェックアウト」という形態も変わろうとしている。

「夕食なしプラン」、「0泊2食の日帰りプラン」、「深夜チェックインで翌日夜チェックアウト」などのプランも増えている。
期待したいのは増加傾向にある訪日外国人客の取り込み。単なる観光とは違う体験型の滞在が訪日外国人客にも拡がりつつある。
2011年は東日本大震災の影響があり、一時的に落ち込んだものの、訪日外国人客数は増加の一途にある。

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2016年は前年比21.8%増の2,404万人。
国別では、中国が637万人(前年比27.6%増)で第1位、続いて韓国が509万人(同27.2%増)、台湾が417万人(同13.3%増)となった。一方で、伸び率が高かったのは、前年比34.2%増のイスラエル(3万人)、同32.1%増のインドネシア(27万人)、同29.9%増のポーランド(3万人)、同29.6%増のフィリピン(35万人)、29.1%増のマレーシア(39万人)といった国々だった。

政府では、訪日外国人客数の目標を2020年に4,000万人、2030年に6,000万人とすることを決めている。
他方、観光庁の「宿泊旅行統計調査」によれば、国・地域別の2016年延べ宿泊者数では、中国が全体の26.3%を占める1,683万人泊で1位、2位に1,062万人泊で16.6%を占める台湾、3位に780万人泊で12.2%を占める韓国が続いており、入国者数と延べ宿泊者数の順位が異なっている。
地理的に近く、飛行機や船などアクセス方法が多様なこともあり、韓国からの訪問客は1回の旅行に際して宿泊する日数は少ないが、来日回数は多いことがうかがえる。

豆知識

東京オリンピック開催を受けて再燃する「東京ホテル戦争」
一度は泊まってみたいホテルとして、帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニが「ホテル御三家」と広く呼ばれ始めたのはバブル景気にわく1980年代の話。

バブル崩壊でホテルの勢力図にも変化が起こり、1990年代には外資系ホテルが登場。
パークハイアット東京ウェスティンホテル東京フォーシーズンズホテル椿山荘東京が、「新御三家」と呼ばれ始めたのはこの頃だ。

2000年代に入っても、外資系ホテルの勢いは続き、マンダリンオリエンタル東京ザ・リッツ・カールトン東京ザ・ペニンシュラ東京は「新・新御三家」と呼ばれた。

しかし、リーマンショックに加えて、東日本大震災が追い討ちをかけ、高級ホテルの主な顧客であった外国人観光客は激減することになった。だが、近年、政府の積極的な取り組みもあって来訪外国人は増加している。

東京オリンピックパラリンピックの開催も決まり、再び「東京ホテル戦争」が活気を帯びている。
2014年にハイアットの高級ラインである「アンダーズ東京」が虎ノ門に、世界各国でラグジュアリーホテルを展開するアマンリゾーツが日本初となるホテル「アマン東京」を大手町にオープン。

また、国内勢でも、2016年7月に星野リゾートが展開する「星のや東京」が大手町にオープンしている。大手町という都心の一等地のビル街にありながら、すべて畳の間という和にこだわった客室が話題だ。

攻勢をかける外国勢に対して、老舗の国内勢も手をこまねいているわけではない。
ホテルオークラは2015年から本館を全面改装、2019年にオープン予定だし、東京オリンピックが開催された1964年に開業した東京プリンスホテルは2017年4月にリニューアルオープンしたばかりだ。
さらに、京王プラザホテルは本館高層階の客室を全面改装し高級感と快適性を向上、国内外の富裕層の取り込みを狙っている。
「新・新・新御三家」と呼ばれるのはどのホテルになるのか、今後ともホテル業界の動きは見逃せない。

 

業界関連用語

●バジェットホテル
機能を宿泊に特化させ、主にビジネス客を対象にした小規模のシティホテル。

主な特徴として、宴会場や各種レストラン、豪華なロビーなどの施設を廃止。立地は駅前や駅から徒歩数分であること、部屋は外線電話の代わりに無線LANなどネット環境を整備、冷蔵庫は空にして、客が自由に利用できる。

チェックアウト時に精算必要なものがほとんどないため、会計も時間がかからない。
宿泊料金は1泊4,000円から7,000円台程度。簡単な朝食を無料で提供するサービスを行なう施設もある。


●0泊2食、深夜チェックイン
最近増えている旅館の新しい営業形態。
たまの休みにゆっくり体を休めたい、育児や介護で夜は家を空けられない、といった人々を中心に利用される0泊2食プランや、金曜日に仕事を終えてからゆっくりチェックイン、翌日や翌々日は部屋に荷物を置いてゆっくりと観光や休養にあて、夕食を終えてからチェックアウト、というプランなど、利用客の多様なニーズにこたえる形となっている。


オーベルジュ
フランスで発祥した、郊外や地方にある宿泊施設を備えたレストランを指す。

都会の喧騒から離れ、その土地で生産された野菜、肉、魚介類等新鮮な食材を使った料理が味わえることが特長。ホテルとの違いは、レストラン主体で営業している点が挙げられる。


Airbnb(エアビーアンドビー)
Airbnb(エアビーアンドビー)は、2008年8月創業の新しい会社で、本社はアメリカのカリフォルニア州にある。

宿泊施設を貸し出す人向けのウェブサイトを運営しており、「アパートを1泊でも、お城を1週間でも、ヴィラを1ヶ月でも」
――あらゆる価格帯で世界191カ国65,000以上の都市で宿泊施設を提供している。

宿泊施設を借りたい人と、自宅などを宿泊施設として貸したい人がネット上で出会い、世界中のユニークな宿泊施設をPCや携帯やタブレットで掲載・発見・予約できる。

外国人訪日客の増加で宿泊施設が不足していることや、空き部屋を活用し収入を得られるとあって、日本でも登録物件数は増加の一途にある。

ただし、分譲マンションでは見知らぬ旅行客が出入りすることで所有者同士が対立したり、賃貸物件をAirbnbに登録するといったトラブルも発生している。


●民泊
民泊とは、もともとは無料で一般の民家に泊まることを指していたが、いまでは一般住宅の空部屋を旅行者などに有料で貸し出すことを言う。

訪日外国人客数の大幅増加で、ホテルなどの宿泊施設不足が深刻となる中、解決策の1つして期待されており、厚生労働省観光庁がルール作りを進めている。

どんな仕事があるの?

●ホテルクローク
宿泊予約の受付、チェックインからチェックアウトまでに生ずるさまざまな手続きやサービスを行う。ホテルの利用客への各種案内も担当。

●宿泊予約
電話やEメールなどでの宿泊予約に対応。空室状況や料金を確認し、受け付ける。

コンシェルジュ
レストランの案内から観劇・映画の予約まで、お客さまの質問やリクエストすべてに答える案内役。さまざまな情報に精通することが求められる。

バンケット
日本のホテルにおいて大きな売り上げを占める「宴会」を仕切る。

●企画
季節ごとのイベントやディナーショー、ブライダルプランなどのイベントを企画し、集客を図る。


旅行業界

今や旅行予約はインターネットが主流

消費者のニーズやトレンドを読み取り、航空座席やホテル、現地での観光などを組み立てて、パッケージツアーを企画するのが旅行会社。

そのツアーを仕入れて消費者に販売するのが旅行代理店だ。旅行会社の多くは旅行代理店の機能も持っている。
鉄道会社や航空会社、バス会社などが代理店業を行っているケースもある。

最近はインターネットでの旅行予約が主流になりつつあり、老舗旅行会社も小規模店舗を減らし、その分ネット販売や大規模店での販売に力を注ぐなどして、収益率アップを図っている。
他方、旅行会社間の競争は厳しい。旅行業界では過去4番目に大きな負債額となった旅行会社「てるみくらぶ」の破産は、旅行代金を支払済の多くの方が渡航できなかったり、すでに渡航中の方が現地で支払いなどのトラブルに巻き込まれたこともあり、業界だけでなく世間の注目を集めた。
2016年の訪日外国人客数は2,400万人オーバー達成! 出国日本人も4年ぶりに増加!
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2016年の訪日外国人客数は前年比21.8%増の2,403万9,053人となり、これまで過去最高だった2015年の1,973万7,409人を430万人余り上回った。

訪日旅行プロモーションを継続的に行ってきたこともあるが、円安による割安感の定着に加え、格安航空会社の座席供給量の増加や航空運賃の低下、大型クルーズ船の寄港増加、ビザの発給要件の随時緩和、消費税免税制度の拡充なども訪日外国人客増加を後押ししている。

ホテルの確保が難しくなっていることや、クルーズ船の入国審査手続きの円滑化もあり、船内で宿泊できる船舶観光上陸許可数の増加は顕著で、2016年は194万人と前年比で80.7%(86万人)も増加している。うち161万人は中国からの観光客で、次いで台湾からが20万人、香港からが4万人となっている。

国・地域別での訪日外国人客総数の1位は中国。前年(2015年)に倍増したにもかかわらず、さらにそこから27.6%増の637万2,948人で約138万人増加している。
次いで2位は韓国で前年比27.2%増の509万302人、3位は台湾で同13.3%増の416万7,504人となった。この3カ国だけで1,563万754人と訪日外国人客の65%を占めている。

今後は、人口が多く、近年訪日客の伸び率が高いマレーシア(前年比29.1%増の39万4,262人)、フィリピン(同29.6%増の34万7,860人)、インドネシア(同32.1%増の27万947人)といったアセアン諸国からのアクセスを増やすことがポイントになりそうだ。

2015年の出国日本人数は2014年に比べ4.1%少ない1,621万2,100人となり、1970年以来45年ぶりに訪日外国人客が出国日本人を上回った年となった。
出国者数は2013年から減り続け、3年連続で前年を下回っていたが、2016年は前年比5.6%増の1,711万6,282人と4年ぶりに前年を上回る結果となった。

豆知識

ハラール認証とは?
来訪外国人は増加傾向にあり、特に経済成長を続ける東南アジアからの観光客が急増している。

東南アジアは将来的にも有望な市場として、さらなる観光客の誘致に力を入れているが、インドネシアやマレーシアなどはイスラム教徒が多い国でもあり、誘致にはイスラム教の戒律に対応した食事やサービスの提供が必要になってくる。

その代表が、「イスラム法で認められたもの(こと)」という意味がある「ハラール」。
旅行客を積極的に受け入れるには、食事やサービスなどがイスラム法で定められた基準に合致していることの証明である「ハラール認証」が求められる(日本ハラール協会などが認証の窓口になっている)。

食事に関して、豚肉やアルコール類が禁止されていることはよく知られているが、「ハラール認証」を受けるには、禁止されている食材が含まれていないかだけでなく、食材の保存方法や、加工、調理の過程が正規の手順に従ったものであるかどうかも重要となる。

今後、旅行業界では、海外からの多様性のある客層を取込むことも求められている。

業界関連用語

●さらなる訪日外国人観光客の増加を狙ってビザの発給要件緩和を加速
政府は、2014年にインドネシア、フィリピン、ベトナム、インドに対するビザ要件を緩和。
インドネシア向けにはIC旅券事前登録を条件にビザを免除。1度登録すればその後は登録の必要はない。
また、インドネシアに加えフィリピン、ベトナムの3カ国については数次ビザを大幅に緩和。有効期間を最長5年まで延長するほか、指定旅行会社経由のパッケージツアーの場合、実質免除並の一次観光ビザの緩和を行っている。インドについては数次ビザの発給を開始。

さらに、増加傾向にある中国人観光客についても、随時発給要件が緩和されている。2017年5月からは、十分な経済力を有する方とその家族に対しては、有効期間3年、1回の滞在期間30日の数次ビザの発給を開始するだけでなく、相当の高所得を有する方とその家族に対して発給している数次ビザ(有効期間5年、1回の滞在期間90日)は、初回の訪日目的を観光に限定せず、商用や知人訪問などの目的でも利用できることとし、同時に航空券や宿泊先などの手配を旅行会社を介さず自ら手配できることとしている。

また、2017年6月からは、カザフスタンキルギスタジキスタントルクメニスタンウズベキスタン中央アジア5カ国からの訪日客のビザ発給要件を緩和することになった。政府が目指す訪日外国人観光客数の目標達成に向けて、今後もビザの発給要件緩和が加速しそうだ。


●観光立国推進法
国際競争力の高い魅力ある観光地の形成、観光旅行の促進のための環境の整備などを目的に1963年制定の「観光基本法」を改正して2007年1月1日から施行された法律。

2008年10月には観光庁が発足、また、2009年9月に就任した前原国交相(当時)は、「観光立国日本の推進」を強調、「観光の成長を促すための航空政策や港湾強化を図っていく」と語った。

どんな仕事があるの?

●カウンターセールス
来店した顧客にパッケージツアーや航空券などを営業・販売する。顧客のニーズを読み取り、プランを提案するなどコンサルティング能力が求められる。

●団体セールス
企業や学校、各種団体など大口の顧客を訪れ、旅行商品を営業する。顧客の要望に合わせて企画を立て、ツアーの場合は添乗も行うなど、その旅行商品に関するすべての業務に携わる。

●企画
旅行商品となるパッケージツアーなどを企画する。売れる企画を立てるためには、アイデアはもとよりマーケティング能力も必要。

仕入
航空券、鉄道など交通機関の座席やホテルの部屋を仕入れる。仕入れた座席・ホテルから企画が立てられることもあり、企画セクションとの連携が大切。

●手配
現地での観光バスや食事、ガイドなどを手配する。旅行には日程変更やキャンセルがつきものなので、状況に合わせて臨機応変に対応しなければならない。

●ツアーコンダクター
パッケージツアーに同行し、旅行者の引率やスケジュール管理、時にはガイドも行う。最近は専門の派遣会社に登録して仕事をするケースも増えている。また、外国語を話せるほうが有利なことも多い。海外添乗の場合資格が必要。