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鉄鋼・金属・鉱業

 

[業界研究] 鉄鋼・金属・鉱業

概要

鉄鋼業界は、鉄を加工してつくった合金を自動車業界や建築業界向けなどに提供している。
鉱業・非鉄金属・金属製品業界は、輸送機器やデジタル家電向けに金属素材や金属加工製品をつくり、販売している。
鉄鋼業界
自動車、家電、建築材料としての材料をつくる

鉄鋼業界は、鉄を加工してつくった素材を自動車や電化製品、建築用材料などに提供している。

原料の鉄鉱石から粗鋼まで一貫生産する高炉メーカーと、鉄くずなどを溶かして粗鋼にする電炉メーカー、原板を加工する単圧メーカーの大きく3つに分けられる。
鉄鋼市場は世界的に不透明要因もあり引き続き状況を注視
一般社団法人日本鉄鋼連盟の「鉄鋼生産概況2017年3月」(2017年4月20日発表)によると、2016年度の銑鉄(高炉や電気炉などで鉄鉱石から取り出した製鋼用の鉄)、粗鋼(銑鉄を転炉や電気炉などで精錬してできた、圧延や鍛造などの加工を施す前の鋼)、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は、銑鉄は前年度を下回ったが、粗鋼と熱間圧延鋼材については前年度を上回った。

2016年度の銑鉄生産は、2015年度の8,054万トンを0.9%下回る7,983万トンと2年連続で前年度比マイナス。
粗鋼生産は1億516万トンと、2015年度の1億423万トンを0.9%上回り、3年ぶりに前年度比プラスとなった。

熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産も9,304万トンで、前年度を1.0%上回り、こちらも3年ぶりのプラスとなっている。
2017年に入ってからは1~3月の累計で、銑鉄は1,971万トン(前年同期比1.8%減)、一方で粗鋼は2,623万トン(前年同期比1.5%増)、熱間圧延鋼材は2,330万トン(前年同期比1.7%増)とまちまちの結果となった。

国内では個人消費には依然弱さが見られるが、雇用環境は良好な状態が続いており、ゆるやかながら回復基調にある。また、東京オリンピックパラリンピック関連施設の建設も本格的に稼動し、自動車生産も堅調に推移するなど明るい動きもうかがえる。

一方で海外市場では、欧米を中心に保護主義的な政策を唱える政治家の台頭もあり、あらたな通商問題発生の可能性もある。また、一部新興国の政情不安や成長鈍化によって企業活動に与える影響など注視すべきポイントは少なくない。
依然として市場環境の不透明感はなかなかぬぐえそうにない。
環境対策に注力する鉄鋼業界
鉄鋼業界の二酸化炭素排出量は日本全体の13%を占め、産業部門のなかでは最も多い(「東京製鐵の鋼材 Q and A」より)。

そのため、鉄鋼業界ではこれまでもたゆまぬ省エネ努力により生産工程で世界最高水準のエネルギー効率を達成、地球温暖化対策としてのCO2削減に貢献してきた。

日本の鉄鋼業界は、京都議定書第一約束期間(2008~2012年)の平均で、エネルギー消費量を1990年度比10%削減するという自主行動計画を策定していた(これに相当するCO2削減目標は9%)。

2013年12月に、日本鉄鋼連盟はCO2削減に向けた行動計画の実績を発表。
それによれば、2008~2012年度の平均で、エネルギー消費量は1990年度比10.7%の削減、CO2排出量は同10.5%削減と目標を達成している。

さらに、2020年に向け引き続き3つのエコを強力に推進。
「エコプロセス」では自らの目標としてCO2を500万トン削減し、「エコプロダクト」では低炭素社会の構築に不可欠な高機能鋼材の供給を通じ、最終製品として使用される段階において3,400万トンのCO2排出削減に貢献。

それだけでなく、「エコソリューション」では世界最高水準の省エネ技術を途上国を中心に移転・普及し、地球規模で7,000万トンの大幅なCO2削減に貢献することに取組んでいる。

また、「革新的製鉄プロセス技術開発(COURSE50)」も同時に推進。COURSE50は、CO2排出の抑制とCO2の分離・回収により、CO2排出量を約30%削減する技術を開発するというもので、2030年頃までに技術を確立、2050年までの実用化・普及を目指している。


豆知識

ステンレスがさびない理由
ステンレス(Stainless Steel=さびない鉄)は、鉄にクロムやニッケルなどを加えた合金で、さびないことが大きな特長。

そもそも、さびとは、金属が空気中の酸素と結びついた酸化物のこと。

ステンレスの表面にも酸化物が作られるが、この酸化物はクロムと酸素が結びついた非常に薄い酸化皮膜。
そのため、この皮膜が保護バリアとなり、さびの原因となる酸素などを遮断しステンレス本体のさびを防いでいる。

この皮膜は、傷ついたりはがれてもすぐに新しく再生されるため、いつまでもさびることはない。

なお、ステンレスは磁石に付かないというイメージが一般的だが、クロム成分が少ない(鉄成分が多い)ステンレスでは磁石に付くものもある。

業界関連用語

●次世代コークス炉
高炉(鉄溶鉱炉)に欠かせないコークス(石炭を蒸し焼きした燃料)を製造する新しいコークス炉で、従来のコークス炉より低コストで製造でき、二酸化炭素の発生も抑えることができる。
さらに、従来は粘結炭といわれる高品質な石炭を使っていたが、次世代コークス炉では、低品質で安価な石炭を混ぜても従来と同一性能のコークスが得られる。


●鉄鋼スラグ
鉄鋼スラグとは、鉄鉱石から鉄を取り出す際に生じる副産物で、年間4,000万トン近い製鉄スラグが発生している。
そのままでは産業廃棄物になってしまうため、古くからスラグの有効利用が模索されてきた。
現在では、自社での再利用に加えて、土木工事、セメント用材、道路用材などとして活用されている。さらに、あらたな用途の可能性として、海洋での藻場礁としての活用も検討されている。


アルセロール・ミタル(ミッタル)
ルクセンブルクに本社を置くアルセロール社と、オランダに本社を置くミタル社が、2006年に経営統合によって誕生した世界最大の鉄鋼メーカー。年間粗鋼生産量では世界市場の10%程度のシェアを持っている。
世界鉄鋼協会の発表による2015年の粗鋼生産量では、アルセロール・ミタルは9,713万トンで第1位、第2位は河北鋼鉄集団 (Hesteel Group)で4,775万トン、昨年は第2位だった日本の新日鐵住金は4,637万トンで第3位となった。
なお、国別では中国がトップで、生産量上位10社のうち5社が中国の企業、上位20社でも10社が中国の企業となっている。
日本勢では第3位の新日鐵住金のほかに、第8位にJFEスチールがランクインしている。


どんな仕事があるの?

●営業
自動車や家電、建築用などに使われる鉄鋼を、顧客であるメーカーや卸会社に提案・販売する。

●資材調達/購買
各工場からのニーズをとりまとめて、国内外から原料や素材を仕入れる。

●商品開発
既存商品を改善するほか、新しい機能をもつ新商品をつくることができないか計画を立てて、試作や開発を行う。

●基礎研究
次世代向け製品に役立てるため、最先端技術の研究を行う。

●生産管理
制作現場の全工程を理解し、品質、コスト、時間を管理する。品質管理と効率面のコントロールが重要な仕事。


鉱業・非鉄金属・金属製品業界


堅調な業績を上げる非鉄金属業界だが、今後は多角化と質の向上が重要

伝統的に非鉄金属の精錬や製品化技術が高い日本は、これまで諸外国からの注文が毎年伸び続けている状態であった。

しかし、2008年秋以降の世界同時不況によって非鉄需要が大きく落ち込んだ影響で、業界各社の経営状態は厳しいものとなった。

その後各国政府の助成策などによって自動車や家電などの需要分野が回復。2010年に入ってから、リーマンショック以前の水準を回復してきた。

東日本大震災の影響もあり2011年は業績が落ち込んだが、中国を中心とする新興国経済の成長にともない非鉄金属価格が上昇、この時期をボトムに企業業績は拡大してきた。

ただし、非鉄金属価格はすでにピークアウトしており、現在は新興国経済への不安もあってむしろ下落傾向にある。
円安効果の影響があったため、企業業績は一定程度の拡大を続けていたが、ここにきて、円安効果も薄れつつある。

世界経済全体の低成長シナリオが現実化しつつある現在では、各社が以前から取組んでいた多角化の成果がどれだけ収益に貢献できるかが重要になっている。
また、独自性を発揮できる核となる得意分野の強化や効率化、海外市場での新たな顧客獲得も求められている。
今後は、リサイクルに期待
原料となる鉱石のほとんどを輸入しているため、原料を安定的に仕入れることができないというのがこの業界の難点だった。

しかし、リサイクルの技術が進み、金属くずなどのリサイクル原料から銅などの金属を取り出せるようになった。

この技術が進めば、国内にあるリサイクル原料から、金属材料や加工材料を手に入れることができるため、安定的に製品をつくることができると注目されている。


豆知識

世界中の金を集めてもプール3杯半
有史以来、貴重な金属として取り扱われてきた金。

酸化による腐食に強いため、貨幣や美術工芸品はもちろん、電気抵抗が低いこともあって、現在では電子機器になくてはならない金属となっている。

また、価格の変動はあるものの、安全資産として金の現物を所有する人も多い。

これほどまでに世界中で需要のある金だが、有史以来人類が採掘した金の総量は約17万トンといわれており、50m×25m×2mの五輪用公式プールの3杯半程度。

かつては日本国内でも金が多く産出され「黄金の国」と呼ばれていたこともあったが、今ではほとんどの金鉱山が閉山となっている。

世界的にも新規の金鉱山開発は難しくなっており、日本近海の海底に大量に眠るとされる鉱脈からの産出が期待されている。
業界関連用語
レアアース
金属は、鉄・銅・亜鉛のように生産量が多く大量消費される「ベースメタル」と、金・銀・白金など8種類の元素からなり腐食に強く希少な「貴金属」に大別される。

さらに近年注目をあびているのが「レアアース」で、経済産業省では「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、現在工業用需要があり今後も需要があるもの」と定義し、31種類が対象とされている。

レアアース」は「レアメタル」の一部で、ランタノイドといわれる原子番号57~71の元素にスカンジウムイットリウムを加えた17種類の元素で、希土類元素ともいわれている。

レアアース」には、強力磁石に欠かせないネオジムや、ディスプレイなどに使われるイットリウムなどがあり、日本の産業を支える重要な元素となっている。
そのため、長期的に安定した確保が大きな課題となっている。


都市鉱山
都市で膨大に破棄される家電製品やIT製品に含まれる貴金属やレアメタルを、採掘可能な有用な資源(鉱山)と見立てた概念。

独立行政法人 物質・材料研究機構の試算によれば、日本の都市鉱山には金が6,800トン(全世界の現有埋蔵量の約16%)、銀が60,000トン(同約22%)ある。

他にも全世界埋蔵量の10%を超えるものが多数存在しており、日本の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する埋蔵量を有しているとされる。

ただし、技術的に取り出すことは可能でも、採算性が課題だった。

国内では、小型家電リサイクル法をベースに、民間企業・行政・消費者が連携することで、より効率的な金属リサイクルの実現を推進している。


どんな仕事があるの?

●営業
自動車や家電、建築用などに使われる鉄鋼を、顧客であるメーカーや卸会社に提案・販売する。

●資材調達/購買
各工場からのニーズをとりまとめて、国内外から原料や素材を仕入れる。

●商品開発
既存商品を改善するほか、新しい機能をもつ新商品をつくることができないか計画を立てて、試作や開発を行う。

●基礎研究
次世代向け製品に役立てるため、最先端技術の研究を行う。

●生産管理
制作現場の全工程を理解し、品質、コスト、時間を管理する。品質管理と効率面のコントロールが重要な仕事。